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japanese.china.org.cn |14. 05. 2024

山:不毛克服した万物宿る公園

タグ: 公園
人民中国  |  2024-05-14

 長期にわたる無秩序な乱掘は、青々と草木が茂る山に巨大な生態的な圧力をもたらし、山々を「全身傷だらけ」にした。それが今、山肌に残された傷跡は、ますます増えていく緑に「癒やされ」、「荒」から「緑」への物語が中国各地で繰り広げられている。

 青々とした山に戻った鉱山

 「ほら、右手にブルーシープがいますよ」。車が賀蘭山に入ると、寧夏回族自治区石嘴山市の石炭井通り清掃事務所の葛義紅所長(60)が突然叫んだ。目を凝らして見ると、灰色のブルーシープ3頭が谷川のほとりで悠々と水を飲んでおり、遠くには深い緑に覆われた賀蘭山が見えた。

 賀蘭山は中国北西部の生態系を守る重要なバリアーで、石炭などの資源を豊富に保有する。だが、大規模な乱採掘により、この山々は深刻な破壊を受けた。「以前、この辺り一帯には洗炭工場があり、黒い廃水が民間鉱山で掘られた大きな採石の穴に流れ込み、土地は真っ黒に染まっていました。着ているシャツもたちまち黒くなり、住民は外に洗濯物を干すことさえできませんでした」。葛所長は今でも当時の様子をはっきりと覚えている。

 賀蘭山の生態保護・修復プロジェクトは2018年に正式にスタート。石炭井などの鉱区では全ての露天炭鉱が閉鎖され、ふもとにある石炭集中加工区の561社も閉鎖された。「賀蘭山修復・整備指揮部の指導により、閉鎖された炭鉱や関連会社の労働者などが廃棄されたボタ石を輸送する作業に取り組みました。ボタ石は高さ100㍍近くまで小山のように積み上げられ、その上に厚さ50㌢近い黄土をかぶせました。こうして、ようやく一本の草も生えない黒いクズ山に緑の生気を保つ『肌』ができましたよ」と、処理の全過程に携わった葛所長は振り返った。

 鉱山が閉鎖されて山が修復された後、いかにして効果的に木を植え緑を増やすかは、賀蘭山管理の最優先任務となった。石嘴山市の生態保護営林場は、寧夏大学などの科学研究機関と協力して賀蘭山で一連の試験を行い、最終的に寒さや干ばつに強いマメ科のムレスズメや砂ヤナギなどを主要な樹木種とすることを決めた。

 葛所長はすでに鉱区からは引っ越していたが、植樹・修復のプロジェクトが始まると聞き、再び石炭井に戻って植樹する大勢の人々に加わった。春と秋は木を植え、夏は水やり・病虫害の防除、冬は防火パトロールと、葛所長は一年四季を通して賀蘭山で過ごした。

 今、賀蘭山の生態修復エリアに沿って車を走らせ山に上がると、葛所長と同じような「緑を植える人」をどこでも見かける。こうした人たちのたゆまぬ努力の下、賀蘭山は毎年面積1万2000ムー(約800万平方㍍、東京ドーム約171個分)の緑化を実現した。鉱区の閉鎖・整備から生態の修復に至り、賀蘭山は再び緑の装いをまといつつある。

 活力満つ高原の遺伝子バンク

 新疆ウイグル自治区のコンロン(崑崙)山東部に位置するアルチン(阿爾金)山国定自然保護区は、約4万5000平方㌔の面積に300種以上の野生動物が生息・繁殖し、貴重で独特な高原の生態システムがしっかりと保護されている。

 「ここ数年、私たちは野生動物と出会う機会がますます増えています。これは保護区の生態環境が持続的に改善され、野生動物の個体群と生息範囲が拡大し続けていることを示しています」と語るのは、アルチン山国定自然保護区管理局のレンジャー尚鵬氏だ。保護区をパトロールすると、時折群れをなすチベットカモシカや辺りを見回す高原野ウサギの姿が見られる。遠くを見ると、オグロヅルが羽を広げて雄大に舞い、この「無人地帯」に生気を与える。

 「野生動物が増えただけでなく、保護区の植生カバー率も絶えずアップしています」。高原生態環境・自然保護研究室の徐俊泉副主任によると、高原生態環境の「バロメーター」と呼ばれる植物・三脈梅草花(ウメバチソウ属)が、21年に保護区で初めて科学観測チームによって発見された。「三脈梅草花は中国では青蔵高原の一部のエリアにしか分布しておらず、周辺環境に非常に敏感です。環境が良くなると、その成長ぶりも良くなります。これは現地の生態環境が好転していることを物語っています」と徐主任は話した。

 かつてアルチン山は、牧畜民の無秩序な放牧によって自然環境が破壊された。高原のもろい生態環境を保護するため、地元政府は「人や家畜が山を下り、緑を高原に残す」という保護措置を実行。400人余りの牧畜民は数回に分かれて山の麓にある県庁所在地に引っ越しし、ここで全く新しい現代的な生活を迎えた。

 今年62歳になるマイリーケ・トルディさんは長年、保護区内で放牧をしていた。山を下りた今、毎年6万元の政府補助金によりマイリーケさんの先行きの心配はなくなった。「羊が減れば山の自然も良くなり、私たちの生活も幸せになります」

 アルチン山国定自然保護区と中コンロン自治区立自然保護区は22年、共同でコンロン山国立公園の創設を申請し、中国国立公園管理局に承認された。「両保護区が共同で国立公園の創設を申請することで、生態系本来の姿を最大限に保護することができます」。北京林業大学国立公園研究センターの張玉鈞主任はこう話し、さらに続けた。「国立公園の設立は、自然資源保護に存在する断片化管理の問題を解決し、生物多様性を守るために緑の『保護の傘』を差すことができます。これはまさに『山・水・林・田・湖・草・砂の一体的な保護と系統的な管理を堅持』ということの最も生き生きとした説明です」

 「人民中国インターネット版」2024年5月14日