話の中によく英語を混ぜる陸川監督のことを「留学帰国」組だと勘違いしている人も多いだろうが、実は、彼は北京で育ち、南京の大学に通った。南京は、陸川監督にとって特殊な意味をもつ。そこでの4年間の生活の中で、数えきれないほどの南京大虐殺にまつわる話を耳にした。軍事学校で学んでいた時、週に2、3回は露天映画を観に行った。「あの頃に観た映画は最悪だった。だから当時、映画の中の人物が涙すれば、観客もつられて泣くような作品をいつか撮りたいと思っていた」。それから何年もの歳月を経て、陸川監督はそれを成し遂げた。「北京娯楽信報」が伝えた。
「南京!南京!」の試写会では、中国の軍人が臨死の直前に「中国は不滅だ!中国万歳!」と叫ぶ姿に涙する観客がいた。映画館から出て来た観客が一言も言葉を発しないというのはこれまでになかったことだ。
「南京!南京!」は22日に公開される。この映画のために、陸川監督は4年以上の月日を費やした。やむを得ず一人で脚本を書き、資金を調達し、「詐欺師」のように撮影チームを結成したことなど映画にまつわる様々な苦労話を聞いていると、陸川監督がこの映画を「カットしたくない」理由がわかる気がした。
「人民網日本語版」2009年4月22日