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明るく抱腹絶倒のシーンが多い映画「高興」
発信時間: 2009-09-16 | チャイナネット

「高興」

監督 阿甘

2009年 中国 106分

あらすじ

劉高興と五富は黄土高原の農村から西安に出て来てゴミ拾いで生計を立てているが、高興には自分で作った飛行機に乗って空を飛びたいという壮大な夢がある。そんな高興が西安で出会ったさまざまな人々の中に、武漢から出てきて風俗で働きながら、貯めたお金で学校に行くことを夢見る孟夷純がいる。

おずおずと互いの恋心を確かめ合う二人だったが、夷純の弟が部屋に隠した麻薬が見つかって、夷純は留置所に入ってしまう。同じ村の出身で元締め屋として成功した男の紹介で、自家製飛行機に広告を貼り、西安の上空を飛ぶことに成功した高興は広告費で夷純の保釈金を支払い、正装して留置所に迎えに行くのだった。

解説

夷純役

あらすじを読むだけでは、この映画の面白さは分からない。ストーリーは実に単純、それも見事に楽観的な話なのだが、とにかく明るく抱腹絶倒のシーンの数々が楽しい。この作品を是非見たいと思ったのは、北京で行われたプレミアの映像を見て。郭濤たち出演者がカラフルなビニールのゴミ袋で作ったニューモード(?)を堂々と着こなし、真剣な面持ちでモデルウォークするという、昨今の豪華なプレミアとはまったく異なる趣向に惹きつけられ、このセンスで作られた映画なら絶対に間違いないと思ったからで、その勘に狂いはなかった。

中国映画ともっともかみあわないジャンルはミュージカルだろう。かつては革命京劇という今にして思えば中国独自のミュージカルもあったわけだが、それはさすがに時代の産物なので現代にはそぐわないし、ハリウッドスタイルで撮るのはあまりに馬鹿馬鹿しい。

ところがこの映画を見て、そうか、中国が音楽劇を撮るには、この手があったか、としばし感じ入ってしまった。粋とはまったく正反対の中国らしい田舎臭さを追求することで、実はポップで意外に今風でお洒落になるという、逆転の発想が素晴らしい。

冒頭の出稼ぎに出ようとする農民たちがトラクターの前でラップとヒップホップで歌い踊るシーン、一面の畑の真ん中で野糞をした後で高興と五富が都会に出て行く複雑な心境を切々と歌い上げるシーン、マッサージガールたちと客との群舞、高興と夷純のおんぼろ小屋でのデュエット、と西洋のミュージカルのパターンを踏襲しつつも、その見事な換骨奪胎ぶりは、同じ時期に見た『マンマ・ミーア』にまったく劣らない楽しさで、ビバ! チャイニーズミュージカルと喝采を送りたい気分。

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