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一、独特の自然資源と豊かな人文資源。甘粛省は鉱物資源、水力エネルギー資源、漢方薬資源が豊富である。 二、農業環境の独自性。甘粛省の農業は基本的に高原農業で、果物や野菜などの特色ある農業を発展させることができる。 三、比較的良好な工業基盤。建国以来、甘粛省では蘭州精練工場、蘭州化学工業、金川、白銀など産業の強みを持ついくつかの企業が設立された。こうした強みのある産業をいかに伸ばし、いっそう力を発揮させ、特色ある経済を形成させるか、できることはまだたくさんある。 四、相対的な人材の強み。統計によると、甘粛省では、科学技術活動の従事者はおよそ6万8000人おり、1万人に27人の割合で科学技術者がいる。この数は全国の平均数を上回っているばかりでなく、広東省と山東省をも抜いている。これらの人々の能力を積極的に活用し、そのエネルギーをうまく発揮できるよう気を配らなければならない。 五、豊富な低賃金労働力。甘粛省の労働力価格は、1998年に都市部では年間一人当たり4082元、農村では3382元であった。これは全国の約60%に相当する。 甘粛省の強みから、次の三つのことを提起する。 一、蘭州商業貿易センターの建設を急ぐ。甘粛省の経済発展の実状と西部大開発加速に関する党中央の配置に基づき、比較的良好な地理的強みを持ち、交通の便もよい蘭州市の発展を加速して、強い吸引力と波及力のある経済貿易中心都市に育て、西部大開発の前線基地、根拠地となるようにする。蘭州市の地理的強みを十分に発揮させ、甘粛省だけでなく、西部大開発全体の牽引的役割を果たさせる。 二、鉄道、自動車道路幹線をよりどころに、一連の工業基地を改造、建設し、小都市の建設を促し、大・中都市を発展させる。甘粛省を縦断する隴海鉄道(蘭州=連雲港)は、第二のユーラシア大陸ブリッジの重要な区間で、国道四五号線がこの区間に隣接し、同じく甘粛省を縦断している。この「二つの縦断線」は甘粛省に道路・橋梁建設関連の経済発展の条件をもたらし、生産力配置の原則にも合致する。交通ラインに沿って生産力の配置を行い、交通ラインが交差する地点に生産要素を集中させる。天水、定西、蘭州、白銀、武威、金昌、張掖、酒泉などの都市がこの二つの縦断線上にあり、甘粛省にはこうした他省の持っていない地理的条件がある。また、現在はこの鉄道線上に位置しない平涼地区は重要な自動車道路のライン上にある。蘭渝鉄道(蘭州=重慶)が完工すれば、臨夏、合作、隴南の発展にも良好な条件をもたらす。こうした原則と実状に基づく生産力配置の計画は、地域経済の特徴と発展の要請に合致し、甘粛省の工業化、都市化の進行を有利に促し、全省経済振興の屋台骨となる。 三、古い革命根拠地、少数民族地区、貧困地区の経済発展を引き続き重視すること、これが甘粛省経済の調和のとれた発展と全省の長期的安定の維持にとって極めて重要である。 |