曽培炎
 

国家発展計画委員会主任兼西部開発指導グループ弁公室主任の曽培炎氏は西部開発指導グループ弁公室が今年三月中旬に正式に発足した際、次のように語った。

 
 

 

 

西部大開発を加速させるには社会主義市場経済の発展の要請にしたがって、市場メカニズムの役割を十分に発揮させ、政府のマクロ・コントロールを強化しなければならない。西部開発は短期的な仕事ではなく、数世代の人々の努力がなければ成果をあげることができない。したがって、西部開発の各方面の積極性を十分に指導、保護し、発揮させ、具体的に仕事を行う際には、次の原則を守らなければならない。

一、統一的計画を策定し、科学的論証を行う。仕事に対する闇雲な態度、建設の重複、生態破壊を避けるため、必要性と可能性から出発し、資源の実地調査と開発・利用を統一的に考慮し、インフラ建設、産業構造調整、生態の整備・保全、人口配置などの諸方面についてそれぞれ短期計画、長期計画、組み合わせの必要性を見定めて策定しなければならない。一部の重要な問題に対しては丹念に深く掘り下げた調査・研究を行い、より科学的で現実に見合った計画を立てる。

二、重点を際立たせ、力量に応じて行う。経済力・物資力を集中させ、西部発展の全局にかかわる重点的な問題を集中的に解決しなければならない。西部地区は土地が広大で、全面的な開発は無理であるため、降水量がきわめて少なく、生態環境が劣悪な一部の地区は必ずしも開発しなくてよい。経済基盤が比較的よい地区を選んで成長ポイントとし、逐次成長の極、成長ゾーンにするよう、重点的に発展させて、全局を牽引しなければならない。そのあとで産業面の重点を際立たせる。なすべきこととなさざるべきことを明確にするという方針を堅持し、資源の強みを発揮し、特色ある産業を発展させるべきである。
三、仕事を地道に行い、着実に推進する。西部開発は、情熱をもって、積極的に努力する必要があるばかりでなく、科学的な態度で、一つ一つの仕事の成果を見届けながら行うことも必要である。西部開発を若干の段階に分け、各段階の目標と任務を定め、着実に推進しなければならない。

党中央の全般的計画に基づき、西部開発指導グループ弁公室は今年、重点的に次の「四つの大事業」をりっぱに行わなければならない。

一、西部開発の総体的計画の作成に力を入れる。これは西部大開発戦略実施のための基礎作業である。西部の各省・自治区・直轄市と国務院の関係部門は、党中央が打ち出した指導理念に基づき、「第十次五カ年」計画の内容と結びつけ、現地、現業種の開発計画を的確に作成し、国家発展計画委員会はこれを踏まえて、西部開発の総体的計画を作成し、中央の認可を受けなければならない。この活動は今年末までに基本的に完成すべきである。

 二、西部開発を促す政策・措置の研究・制定に力を入れる。現在、国務院の各部門は西部開発を促す政策を練り上げており、西部開発弁公室は各部門が政策・提案を提出した基礎の上で、統一的に計画し、協調し、確実に実行可能な政策・措置を研究、提出し、西部開発の加速化にプラスになる良好な環境を作り出す。政策を研究する際、財政、税収、投融資、価格などの政策を重視するのはもちろん、改革の深化、開発の拡大、社会の全面的進歩の促進に関する政策の研究にもより気を配り、特に科学技術教育を大いに発展させ、人材を引きつける政策を重点的に研究する。

 三、西部地区のインフラ建設を加速する。今年の新規増発の国債の西部への投入比率をさらに高める。十分に論証した基礎のうえで、国は西部地区で新たに10大プロジェクトを建設し、基盤条件がよく、西部開発に先導的役割を果たす5つの大型インフラプロジェクトの前期工事を加速し、310億元の投資を調達し、建設中の78の大中型プロジェクトを加速する。

 四、生態系建設と保護を強化する。引き続き天然林保護工事を実施するとともに、耕地を森林や草地に戻すモデル地区の活動に力を入れ、経験を総括してこれを逐次推し広げることに重点を置く。