陳元
 

国家開発銀行行長の陳元氏は西部大開発について次のように述べている。

 
 

 

 

西部大開発を支持するためには、新しい融資メカニズムと信用保証システムを確立すべきである。当面は、中央財政・地方財政と金融業界の協調支援、市場メカニズムの発揮、特性を生かした経済の支援強化などを含め、財政と銀行の連動性を強化しなければならないが、具体的には次の四つの段階がある。

一、中央財政を主体とした段階。主に省・自治区にまたがる鉄道、自動車道路、民間航空、交通インフラ、大型水利・水力発電および一部の環境保全プロジェクトに用いる。基本方式は次の通り。国は必要性と可能性に基づき、年ごとに財政あるいは債券資金を投入する。開発銀行は市場の債券発行・資金調達能力に基づき、一定額の長期融資を拡大し、財政による年ごとの新規割当の債券資金と地方資金で融資分を返済させ、長期にわたらざるを得ないプロジェクトを適宜前倒し、先行させて建設し、これも年ごとに返済させて、金融リスクを確実に防止する。

二、地方財政を主体とした段階。主に都市のインフラプロジェクトに用いる。基本方式は次の通り。市クラスの政府を後ろ盾として、毎年の地方財政予算の建設費用と諸々の規定費用の収入を借入金の返済源とし、政府の決めた法人機構によりこのようなプロジェクトをとりまとめ、統一的に開発銀行から借り入れるとともに、同クラスの人民代表大会が承認して、まとめて開発銀行に借入金を返済する。借入期間は適宜延長することができる。

三、一般融資を主体とした段階。主に地方の特性を生かした経済の工業、農産物プロジェクトに用いる。基本方式は次の通り。開発銀行が地元の商業銀行と協力し、プロジェクトを厳選したうえで、開発銀行が商業銀行に融資し、商業銀行が具体的に実行して借入金の返済を担う。

四、石油、天然ガスなど大型業種プロジェクトについては、開発銀行が通常のリスクの原則に基づいて長期融資を提供し、業種の収益で返済する。

 この四段階が西部大開発支援の基本的枠組みと信用システムを構成することになり、これは各方面の積極性を引き出し、ともに責任を担い、リスクを分散するのにプラスとなる。そのカギは長期的な資金源とリスク防止の問題を解決することである。