魏傑
 

清華大学中国経済研究センター教授で経済学者の魏傑氏は、今年2月27日に行われた「西部大開発ハイレベル経済フォーラム」で、西部開発の資金不足問題の解決をめぐって次の二つの方法を提起した。

 
 

 

 

一、西部の通貨・資本市場を育成、発展させる。これは社会主義市場経済という条件の下で西部開発の資金不足の問題を解決する重要な方途である。統計によると、現在中国の都市部住民の貯蓄総額は六兆人民元という極めて高い水準に達している。この部分の資金が通貨市場と資本市場を通じて中西部に投入され、効果的に利用されれば、西部大開発の資金不足の問題を緩和することができる。

二、西部発展基金を設立する。ケ小平氏は1980年代に、中国経済が一定の段階まで発展した時期に、より多くの力で中西部地区の発展を援助しなければならないと提起した。そこで、「東部が西部に利益を補償する」ことを拠り所として、東部沿海の省・自治区に対し「西部開発税」を徴収し、西部発展基金の資金源とすることも、西部開発の資金不足の矛盾を緩和するための実行可能で有効な方途である。西部開発基金は主に環境汚染対策、生態環境の改善、水資源の開発・利用、黄土高原の耕地の森林化の補償と旧革命根拠地地域の建設と貧困脱却扶助などに使う。

同氏はまた次のような政策を提起した。

@直接融資を規範化し、直接融資市場の健全な発展を促進する。A機関投資家を育成する。B融資額に応じた資源を合理的に配置し、国の産業政策を十分に具現する。C地方が中・長期債券を発行し、都市の建設資金を調達することを奨励する。D中小企業の内部資金調達と株式加入を合理的に導き規範化する。E規範化された前提の下で、商業手形業務の発展を加速させる。例えば、銀行の為替手形引受を安定的に発展させ、逐次、商業の為替手形引受を試行し、手形リスクを分散して、商業の信用手形化を促進すると同時に、地域的、全国的な手形市場を段階的に確立し、手形の流動性を高める。F国の産業政策に基づき、産業投資基金、特にリスク投資基金を設立する。調達された資金をハイテクの開発・利用と企業の技術改造に使うことで、産業のレベルアップを促進し、新たな経済成長ポイントを育成する。