中国の拡散防止の政策と措置


五、拡散防止輸出管制法規を厳格に実行




    長年にわたる努力を経て、中国の拡散防止と関係ある法律と法規が絶えず整備され、発展し、政府の拡散防止目標をよりよく実現することに力強い法的根拠と保障を提供し、同時に政府の関係職能部門の法律執行能力に新しい要求を提出した。拡散防止輸出管制の法律・法規の効果的な貫徹、実行を確保するため、中国政府の関係部門は、拡散防止輸出管制の機構建設、政策・法規の宣伝、企業教育、違法事件の調査・処理などの面で多くの努力を払った。

    輸出管制機構 中国の拡散防止輸出管制は、多くの政府関係部門に及んでいる。現在、各部門の間にはすでに明確な分業と調和メカニズムが形成されている。

    中国の核輸出は、国防科学技術工業委員会がその他の政府関係部門と共に管理している。ミサイルおよび直接ミサイルに用いられる生産施設と重要な設備を含む軍用品の輸出は、国防科学技術工業委員会と国防部の関係部門がその他の政府関係部門と共に管理する。

    核両用品、生物両用品、関係化学品、および民用の目的に用いられるミサイルと関係ある両用品目と技術の輸出は、商務部がその他の政府関係部門と共に管理する。そのうち、核両用品、ミサイルと関係ある両用品目と技術の輸出は、商務部が国防科学技術工業委員会と共に審査し、動植物と関係ある生物両用品と技術の輸出は、商務部が必要に応じて農業部と共に審査し、人間と関係ある生物両用品と技術の輸出は、商務部が必要に応じて衛生部と共に審査し、生物両用品の関係設備と技術、および化学品と関係ある設備と技術の輸出は、商務部が必要に応じて国家発展改革委員会と共に審査し、監視化学品の輸出は、国家発展改革委員会が商務部と共に審査する。

    外交政策に関わる敏感な品目および関係ある設備と技術の輸出は、上記の主管部門が外交部と共に審査する。国家安全、社会の公衆利益に重大な影響を及ぼす輸出プロジェクトは、主管部門がその他の部門と共に国務院、中央軍事委員会に報告して認可を求める。

    税関総署は、上記品目と技術の輸出入に対する監督・管理を担当する。

    上記の各関係部門には、いずれも輸出管制を担当する専門機構が設置され、専従要員が配備されている。

    法規の宣伝と企業教育 拡散防止輸出管制条例が公布され次第、全国的なメディアにニュースを流し、関係ある条例、リストの全文は、政府部門、対外貿易企業および研究機構の刊行物とウェブサイトで公表される。これらの宣伝は、関係輸出経営者に条例とリストの内容を知らせるのに有利な条件を提供している。関係主管部門は、また積極的に措置を取って、関係ある企業と機構が真剣に条例を実行するよう要求するとともに、法規講座、講習会などの形式で主要な輸出企業に条例の内容と輸出審査・認可手続きを宣伝する。

    輸出審査システムの建設 輸出管制法規を効果的に実施するため、中国は全社会向けのライセンス申請、審査・認可、発給システムおよび税関の監督管理・ライセンス検査・通関システムを確立した。商務部などの関係部門はいま「敏感な品目と技術輸出ライセンス管理リスト」(即ち、関係輸出管制条例に付属するリストの商品部分には税関HSコードが付けられる)を制定中であり、できる限り各環で輸出企業に法をわきまえ、法を守るように告知し、同時に政府の輸出に対する監督・管理能力を高める。

    輸出企業の輸出ライセンス申請に便利を提供するため、商務部のネット申請・審査・認可システムが完成し、運行を始めてから、社会にサービスを提供する。行政管理も、相応にライセンス審査・認可、発給機関と税関との間でネットワークによる監督・管理情報交換システムを確立する。

    違法事件の調査と処理 中国政府は、拡散防止違法事件に対する取り調べと処分を非常に重視する。違法輸出の可能性があるという情報を入手した時、関係主管部門は真剣に調査し、違法行為の情状の軽重に基づいて、相応の行政処罰を与えるかあるいは司法機関に引き渡してその刑事責任を追及する。近年来、中国政府は多くの違法輸出事件を取り調べ、処分し、事件と関係ある機構と個人に対し法に依って相応の懲罰を行った。

    法律執行能力を強化し、拡散防止輸出管制条例を効果的に実行に移すことは、波及面が広く、内容が複雑なシステム・エンジニアリングであり、政府の多くの部門の調和と協力が必要である。同時に、国内企業の国の関係政策と法規に対する理解、拡散防止意識の強化、自律メカニズムの確立も、拡散防止法規の実施に直接影響を及ぼしている。中国政府の関係各部門は、いま経験をしめくくり、法律執行陣の育成をたえず強化し、宣伝に力を入れ、国内の拡散防止輸出管制メカニズムを整備している。