人民解放軍は政治が合格で、軍事が優れ、風紀がよく、規律が厳しく、保障が有力であるという総体的要求に基づいて、戦争で勝てる、変質しないという二つの歴史的課題をしっかりめぐって、全面的建設を強化し、革命化、現代化、正規化の人民軍隊を作り上げるように努めている。
軍事訓練
人民解放軍は現代戦争の特徴に適応し、ハイテク条件下の防衛作戦能力を高めることを主な目標として、軍事訓練を絶えず強化、改善している。
ここ2年来、人民解放軍は在来の練兵方式から科学技術による練兵への転換を速め、現代の科学技術を十分に利用して軍事訓練を組織、実施している。2000年10月、総参謀部は北京付近の地区でハイテク軍事大演習を行い、コンピューター・ネットワーク技術、偵察センサー技術、電子対抗技術、シミュレーション技術などのハイテク手段を応用して、新しい作戦思想、兵器・装備、訓練方法を演習、検証し、全軍の科学技術による練兵の最新成果について交流した。
新しい作戦条令に基づいて、人民解放軍は共同作戦問題の研究と訓練を突出させている。各軍区、各軍・兵種が組織する年度定例演習はいずれも共同作戦を重要な課題としている。2001年の春と夏に、南京と広州二軍区の部隊はそれぞれ共同上陸作戦を背景とする実地演習を組織し、各軍・兵種の共同上陸作戦の方法を訓練し、協力訓練、陸軍部隊の水陸訓練、国防予備力の急速動員訓練など一連の訓練、保障および管理の経験を総括した。総参謀部の機関はまた共同戦役通信指揮の研究・訓練、上陸と山地作戦訓練および共同防御突破戦法を研究し、ネットワーク・電子一体化作戦の特徴と作戦の様式を模索した。
人民解放軍は新しい軍事訓練法規を施行し、制度化訓練を強化している。全軍の訓練、改革の成果と科学技術による練兵の経験を広く吸収する基礎の上に、総参謀部は全軍軍事訓練の内容と体系を修正、調整し、2001年7月に「軍事訓練と考課大綱」を公布し、2001年9月に華北の某集団軍で全軍の新しい訓練大綱の共同訓練を組織した。2002年9月、中央軍事委員会は新しい「中国人民解放軍軍事訓練条例」を公布したが、これは軍事訓練の組織指導と管理をなおさら全面的、系統的に規範化させた。
人民解放軍は軍事大学・学校の改革を引き続き深めている。「スケール化の学校運営、現代化の授業、正規化の管理、社会化の保障」という総体的構想に基づいて、新しいタイプの大学・学校体系をさらに改善し、軍事、科学技術、教育の発展に適応する授業体系をつくり上げた。ここ数年来、18校の大学と学校、60の学科、31の実験室の重点的な建設任務を完成する基礎の上に、「軍事大学・学校の重点的建設プロジェクト」を実施し、67の学科の専攻分野、178の学科の専攻分野を重点的に建設し、58の学科はすでに国家クラスの重点的学科に入った。総参謀部は全軍の大学・学校に最初の専攻課目の目録を配布し、新しい学科の専業体系を一応作り上げた。全軍の大学と学校は授業の内容を重点として授業改革を深め、新しい授業大綱を制定し、重点的教材建設プロジェクトを実施し、授業評価制度を改善した。同時に、授業の情報化、ネットワーク化の建設を強化し、全軍の授業の研究情報ネットワーク化プラットホームを一応作り上げ、10万近くの情報ステーションをもつ全軍大学・学校軍事訓練情報ネットワークを形成した。
政治工作
人民解放軍の政治工作は軍隊における中国共産党の思想工作と組織工作であり、軍隊に対する党の絶対的指導を実現し、部隊の戦闘力を強化、増強する根本的保証であり、人民解放軍の生命線である。
人民解放軍の政治工作は、誠心誠意人民に奉仕するという主旨を貫徹し、軍隊に対する党の絶対的指導を保証し、思想政治教育を中心の環とし、将兵一致、軍民一致、敵軍瓦解の原則を実行し、政治民主、経済民主、軍事民主の制度を実行し、三大規律と八項目の注意を執行することである。軍隊の政治工作は党委員会(支部)制度、政治首長制度、政治機関制度を実行する。党委員会(支部)制度の規定によると、軍隊の連隊クラス以上の部隊と部門は党の委員会を設立し、大隊と大隊に相当する部門は党の末端委員会を設立し、中隊と中隊に相当する部門は党支部を設立する。党の各クラス委員会(支部)は各当該部門の統一的な指導と団結の核心である。党委員会(支部)の統一的集団指導の下での首長分業責任制は、軍隊に対する党の指導の根本的制度である。政治首長制度の規定によると、軍隊の連隊クラス以上の部隊と部門は政治委員を設け、大隊は政治教導員を設け、中隊は政治指導員を設ける。政治委員、政治教導員、政治指導員および同級の軍事主要責任者はいずれもその所属部門の首長であり、同じクラスの党委員会(支部)の指導の下で、所属部門の諸活動を共同で担当する。政治委員、政治教導員、政治指導員は党委員会、支部の日常活動の組織者であり、政治工作の指導者である。政治機関制度の規定によると、軍隊の連隊クラス以上の部隊と部門は政治部(処)を設立し、全軍は総政治部を設ける。政治機関は所属部隊と部門の政治工作の指導機関であり、責任をもって党の活動を管理し、政治工作を組織、実行する。
人民解放軍の政治工作はあくまで時代とともに前進し、開拓・革新を行い、国際情勢と軍事分野の深刻な変化に適応し、社会主義市場経済の急速な発展に適応し、未来のハイテク戦争に勝つために強大な精神的原動力を提供するように努め、人民軍隊の性質、特色、作風を保つために信頼できる政治的保証を提供する。ここ数年、中国共産党中央は新しい「中国人民解放軍政治工作条例」を公布し、中央軍事委員会は「軍隊の末端建設綱要」を公布し、総政治部は「改革・開放と社会主義市場経済発展条件下の軍隊の思想政治建設の若干の問題に関する決定」と「新しい情勢の下での軍隊の思想政治教育の強化、改善に関する意見」を制定した。人民解放軍は積極的に「三つの代表」という重要な思想を学習、貫徹し、将兵を組織して党の基本理論、国の憲法、法律および科学・文化知識を学ぶ愛国主義、集団主義、革命的英雄主義の教育を繰り広げ、連隊以上の部門は軍隊歴史館を設立し、中隊は栄誉室を設ける。軍人道徳規範を公布し、軍人道徳組歌を創作し、全軍の宣伝・文化情報網をつくり、兵営の文化施設を整備し、中隊はクラブを設立し、駐屯地が集中する連隊以上の部門は文化活動センターを設ける。心理教育と法律諮問活動を展開し、旅団の政治機関と末端の政治幹部を主とし、政治工作系統と関連ある専業系統を結びつける心理教育、法律諮問工作メカニズムを構築する。
後方勤務保障
人民解放軍は積極的に後方勤務の体制と制度を改革し、現代的な後方勤務保障体系を確立し、後方勤務保障能力を絶えず高めている。
連合後方勤務保障の実行は、軍隊の後方勤務保障体制の重大な改革である。連合後方勤務保障体制は軍区を基礎とし、区域保障と編制保障を結びつけ、通用保障と専用保障を結びつける方式をとっている。通用物資供給と通用勤務保障は軍区が統一的に組織し、特別物資供給と特別勤務保障は各軍・兵種が編制系統に従って組織、実施している。総後方勤務部は全軍の連合後方勤務工作を主管し、軍区連合後方勤務部は作戦区域内の連合後方勤務工作を主管し、連合後方勤務分部は主として区域内の各軍・兵種の部隊の通用保障を組織、実施している。2年余りの改革実践を経て、連合後方勤務保障はしだいに規範に合い、保障効果が著しく大きくなり、三軍が一体化し、軍用と民用を兼ね備え、平時と戦時を結びつける方向に向かって発展している。
後方勤務保障機構を簡素化し、国防費の使用効果を高めるため、人民解放軍は非作戦部隊の軍以上の機関と大中都市にある軍隊の大学・学校、病院などの部門で、後方勤務保障社会化の改革を推進している。3年近くの努力を経て、後方勤務保障の社会化改革は飲食保障、商業サービス、兵舎保障、従業員管理制度の改革などの面で実質的進展をとげ、生活用車と燃料の保障、衣類貨幣化供給などの面で試行した。現在、全軍に1500余りの食堂は地方のサービス保障機構によって運営され、1000余りの軍人服務社は社会の商業体系に組み入れられ、1800余りの兵舎は程度の差こそあれ不動産管理を実行し、300近くの保障的企業と農場は政府と地方に引き渡され、企業・事業体の従業員が30万人余り減少された。軍隊の後方勤務保障の社会化改革を推進し、改革の健全な発展を確保するため、2002年9月、国務院、中央軍事委員会は「軍隊の後方勤務保障社会化推進と関係ある問題に関する通達」を出し、10月、中央軍事委員会は「総後方勤務部の軍隊の後方勤務保障社会化実行の若干の問題に関する意見」の転送を認可した。
2001年3月から、軍隊は予算編成制度の改革を始めた。国際通用の予算方法を参考にして、軍隊の予算編成の形式、方法、内容を全面的に改革し、0基予算などの方法を重点的に推進して、予算のマクロ規制の役割を十分に発揮し、財政権と資金が集中し、軍費が科学的に分配され、項目が具体的かつ透明で、監督と制約が厳密な予算の新しいパターンをしだいにつくり上げた。
2002年1月から、軍隊は買付制度の改革を全面的に推進し、集中買付と入札買付を主とし、分業して協力し、互いに制約し合う管理運行メカニズムを構築し始めた。量が多く、値段が高く、通用性の強い物資は、主に物資買付機構に頼って集中買付を行う。1回の買付金額が50万元を上回る大口物資と投資額が200万元以上の新築・拡張・改築工事は、入札買付を実行している。
人民解放軍の将校住宅保障制度は現在、軍隊保障と社会保障を結びつけ、公共住宅と自己所有住宅を結びつけ、実物供給と貨幣分配を結びつける方法を採用している。職級と類別の異なる将校に対しては、相応の住宅保障を実行している。在職の将校は主に公共住宅に居住する。退役将校は主に現有住宅あるいは経済的で使用に適する住宅を購入する。転業と復員の幹部、士官の住宅は主に住宅補助をもらい、社会保障系統に組み入れて解決される。
人民解放軍は絶えず後方勤務装備の建設を強化し、後方勤務保障手段の現代化レベルを高めている。2001年、軍隊は後方勤務装備を編成ぐるみ、系統ぐるみに総合保障能力を形成する関連実験を行い、海上負傷者の応急救助、砂浜の保障、野戦飛行場保障、ミサイル部隊の融通保障、空中投下物資保障、手薄な兵力の保障、野戦の後方勤務指揮など七つの方面の後方勤務装備を発展させ、86種の新しい装備の論証、開発、実験を完成した。リアルタイム、正確、透明に後方勤務保障資源、保障需要、保障状態などの情報を獲得、処理するために、軍隊は目に見える後方勤務系統の研究を組織している。2002年7月、中央軍事委員会は「中国人民解放軍後方勤務装備条例」を公布、施行し、後方勤務装備の正規化建設を促した。
兵器・装備
人民解放軍は軍事のハイテク発展と防衛作戦の必要に適応し、科学技術による軍隊強化、品質面の軍隊建設の方針を真剣に貫徹し、兵器・装備の発展を加速し、兵器・装備の現代化レベルの向上に努めている。
兵器・装備の管理体制とメカニズムをいちだんと整備した。1998年4月に総装備部が設立されてから、各軍・兵種、軍区から軍、師団、連隊クラスの作戦部隊に至るまでいずれも装備部を設立し、兵器・装備建設の集中的統一的指導と兵器・装備の全システム・全寿命管理をいちだんと強化し、兵器・装備建設の全体的効果を有効に高めた。2000年12月、中央軍事委員会は最初の「中国人民解放軍装備条例」を公布し、軍隊の装備活動の組織・指導、職責分担、管理プロセスを規範化させた。2002年6月、10月、中央軍事委員会は前後して「中国人民解放軍装備保守修理活動条例」と「中国人民解放軍戦役装備保障綱要」を公布した。装備活動の一連の法規・制度は兵器・装備活動が科学化、制度化、法制化に向かって発展するのを促した。
兵器・装備の現代化レベルが絶えず向上している。人民解放軍はあくまで自力更生、自主的革新を主とし、積極的に国外の先進技術を参考にして兵器・装備を発展させている。未来のハイテク条件下の防衛作戦の必要に基づいて、人民解放軍はハイテクの兵器・装備を重点的に発展させ、選択的に現役の兵器・装備に対し現代化改装を行い、兵器・装備の機械化、情報化という二重の歴史的使命の実現に努め、種類がわりに揃い、構造がわりに合理的で、中国の特色をもつ兵器・装備の基本的体系を初歩的に形成した。
兵器・装備の管理能力が目に見えて強くなっている。人民解放軍は現有の兵器・装備を真剣に管理し、新型兵器・装備の管理能力を絶えず高めている。軍以下の部隊は兵器・装備管理の規則や制度を普遍的に制定し、健全にし、装備の財務規範化管理を実行し、兵器・装備管理の科学化、制度化、経常化の考課・評定活動を展開している。同時に、新型装備の使用と管理の集団訓練を組織し、装備管理と技術保障の人材を養成し、各種の管理施設を整備し、兵器・装備が編成ぐるみ、系統ぐるみに作戦能力と保障能力を形成する活動をちゃんと行っている。
兵器・装備買付制度の改革がちくじ深化している。人民解放軍は社会主義市場経済と兵器・装備発展の必要に積極的に適応して、兵器・装備買付制度の改革を大いに行っている。軍隊の装備部門は装備発注甲側責任の主体職能を行使し、兵器・装備の開発、発注、修理は、国と軍隊の関係法規によって契約制管理を実行している。ここ数年来、軍隊は兵器・装備買付の中で、あくまで競争を核心とし、入札・応札制度をちくじ実行し、競争、評価、監督、激励のメカニズムを構築し、完全にし、工場駐在軍事代表陣の建設をいちだんと強化し、品質認証体系を完全なものにし、兵器・装備経費の使用効果と開発・生産の質を高めた。
幹部の養成
人民解放軍はあくまで高資質の新しいタイプの軍事人材の養成を、軍隊の現代化建設の飛躍的発展を推進する根本的措置としている。
人民解放軍の幹部は将校と文官を含んでいる。ここ数年来、軍隊は抜てき予定の予備役将校の養成と訓練のレベルをたえず高め、抜てき予定の予備役将校の供給源構造を調整し、科学的、合理的な抜てき予定の予備役将校養成訓練体制を確立して、軍事人材の養成・訓練のレベル、品質、効果が著しく向上した。現在、全軍の幹部の中で高等専門学校以上の学歴をもつ人は80%を上回り、博士、修士の学位を取得した軍隊の幹部は3万余名おり、そのうち師団、連隊クラスの指導ポストについた人が大勢いる。同時に、世界各国特に先進国の軍隊建設の有益な経験を参考にするため、1996年から現在まで、人民解放軍は前後して20余カ国に軍事留学生1000名近くを派遣したが、そのうちのかなり多くは師団、連隊クラスの軍事指揮幹部と専門技術幹部である。
2000年12月に全国人民代表大会常務委員会が採択した「中華人民共和国現役将校法」と1999年6月に中央軍事委員会が公布した「中国人民解放軍文官条例」が明確に規定しているように、将校指揮官と専門技術以外の文官は職務を一級昇進するごとに、専門技術将校と専門技術文官は専門技術職務を一級昇進するごとに、相応の大学・学校あるいはその他の訓練機構の養成と訓練を経る必要がある。機関で仕事をしている幹部は相応の大学や学校の養成と訓練を経る必要がある。軍隊の在職幹部の養成と訓練は学歴教育から全面的な継続教育への転換をちくじ実現している。少数の幹部に対し学歴教育を行うほか、圧倒的多数の幹部の知識更新は主に短期の養成訓練を通じて実現される。
2000年5月、国務院、中央軍事委員会は「普通の大学教育に依拠して軍隊の幹部を教育、養成する制度に関する決定」を公布し、普通の大学教育が国防と軍隊の現代化建設の中で作用を十分に発揮し、高資質の軍隊建設人材を選抜、養成する道を広げることを明らかにした。現在、北京大学、清華大学など50余校の大学は軍隊のための幹部養成の任務を引き受け、毎年軍隊に多くの優秀な人材を送り込んでいる。
科学技術による軍隊強化の必要に適応するため、軍隊はハイレベル人材の育成を非常に重視している。ここ2年来、全軍のポストドクトレート移動ステーション、博士、修士学位授与機構が大幅に増え、学位授与体系がちくじ改善され、養成の規模がわりに大きくなった。2002年5月、国務院学位委員会は「軍事学修士学位設置案」を審議、採択し、軍事学修士学位を設け、試行することを決定した。これは軍隊のハイレベル応用型専門人材の養成が新たな段階に上がったことを示している。
人民解放軍は幹部の交流を、幹部を養成、鍛錬し、幹部の資質を高める重要な方途としている。「中華人民共和国現役将校法」は将校の交流をいっそう明確にし、規範化させた。2002年1月に中央軍事委員会が公布した「中国人民解放軍現役将校職務任免条例」は、将校交流の条件、範囲および組織、実施などに対し具体的な規定を行っている。1998年12月に公布した「中国人民解放軍香港駐屯部隊幹部の交替についての暫定規定」によると、香港駐屯部隊の幹部は全員定期交替制度を実行し、現在、3組が交替した。澳門駐屯部隊も香港駐屯部隊のやり方を参照して、幹部の全員交替を実行し始めた。
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