中国では、労働適齢期の人口が多く、国民の教育レベルがわりに低いため、就職の矛盾は非常に際立っており、それは主に労働力の需給総量の矛盾と就職構造性の矛盾が共存し、都市部の就職圧力の増大と農村余剰労働力の非農業分野への移動加速が同時に現れ、新規増加労働力の就職と失業者の再就職問題が互いに絡みあっていることに表れている。
人口と労働力
2003 年、中国の人口総数は 12 億 9200 万人(香港特別行政区、澳門特別行政区、台湾省を除く)に達した。 16 歳以上の人口は 9 億 9889 万人で、そのうち、都市部は 4 億 2375 万人、農村部は 5 億 7514 万人であり、経済活動を行う人口は 7 億 6075 万人で、労働力の経済活動参与率は 76.2 %である。 16 歳以上の人口の中で、中学校以上の学歴をもつ人は 61.7 %、高等専門学校以上の学歴をもつ人は 6.6 %を占めている。技術労働者の中で、初級は 61.5 %、中級は 35 %、高級は 3.5 %をそれぞれ占めている。
就職総量
2003 年、中国の都市と農村の就業者数は 7 億 4432 万人(図 1 を参照)に達し、そのうち、都市部は 34.4 %を占める 2 億 5639 万人(図 2 を参照)で、農村部は 65.6 %を占める 4 億 8793 万人である。 1990 年から 2003 年にかけて、就業者は合計 9683 万人増加し、年平均 745 万人増加した。
就業構造
第一、二、三次産業の就業構造から見て、 1990 年から 2003 年にかけて、第三次産業の就業者の占める比重は 18.5 %から 29.3 %へと着実な増加を見せ、人数は 2 億 1 809 万人に達した。第二次産業の就業者の占める比重は 21.6 %を保ち、人数は 1 億 6077 万人に達した。第一次産業の就業者の占める比重は 60.1 %から 49.1 %に下がり、人数は 3 億 6546 万人である(図 3 を参照)。都市部と農村部の就業構造から見て、 1990 年から 2003 年にかけて、農村部の就業者の占める比重は 73.7 %から 65.6 %に下がった。経済要素別の就業構造から見ると、 1990 年から 2003 年にかけて、国有部門の就業者数は 3470 万人減の 6876 万人、都市部の個人経営と私営経済実体の就業者数は 3596 万人増の 4267 万人で、同期の都市部新規増加就業者数の 46.5 %を占めた。各種の外商投資と多種形式の経済、非全日制、臨時的、シーズン的、パートタイマーなどさまざまな就業形式が速やかに現れ、就職拡大の重要なルートとなっている。
失業率
ここ数年来、就職のプレッシャーが持続的に増大する状況の下で、中国政府はさまざまな措置を講じて、都市部の失業率の急激な上昇を抑えている。 2003 年末現在、都市部の登録失業率は 4.3 %で、失業人数は 800 万人であった ( 図 4 を参照 ) 。
2004 年、中国政府は就職と再就職の目標として、就職 900 万人、一時帰休者の再就職 500 万人を新規増加し、そのうち、就職が困難な人の再就職を 100 万人とし、都市部の登録失業率を 4.7 %前後に抑えることを確定した。
都市・農村住民の収入
経済の発展と就職機会の増加につれて、住民の収入はたえず増加している。 1990 年から 2003 年にかけて、都市部住民の 1 人当たり可処分所得は 1510 元から 4.6 倍増の 8472 元に増加し、実際に 1.6 倍伸びた。農村住民の 1 人当たり純収入は 686 元から 2.8 倍増の 2622 元に増加し、実際の伸び率は 77 %である(図5を参照)。
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