中国の就職状況と政策


三、勤労者の資質を高める



    中国政府は、さまざまなルートを通じて、各種の教育と養成訓練事業を積極的に発展させ、学歴証明書と職業資格証明書をともに重視する制度を実行し、勤労者の就職能力、創業能力、職業変更適応能力を全面的に高めている。

    各類の教育事業を発展させる

    ――小中学教育を普及させる。 2003 年、全国の小学校適齢児童の就学率は 98.6 %に達し、中学校のおおざっぱな入学率は 92.7 %に達し、高校段階の学校(普通高校、職業高校、成人高校、普通中等専門学校、成人中等専門学校、技工学校を含む)は合計 3 万 1900 校あり、在校生は 3241 万人で、おおざっぱな入学率が 43.8 %に達した。そのうち、中等職業教育の学校(職業高校、普通中等専門学校、成人中等専門学校、技工学校を含む)は合計 1 万 4800 校あり、在校生は 1254 万人いる。

    ――高等教育と成人教育を発展させる。 2003 年、高等教育の全体的規模は 1900 万人に達し、高等教育のおおざっぱな入学率は 17 %である。 2003 年、全国の各種学校で行われた各種形式の成人非学歴教育の修了者数は延べ 7436 万人に達し、現在、各種の訓練を受けている人は 5844 万人おり、そのうち職業技術学校は年間に延べ 7242 万人を育成した。 2003 年、各クラスの各種の民営学校は合計 7 万校あり、在校生は 1416 万人に達した。

    職業訓練システムを確立する

    中国の職業訓練は、就職前訓練、転業訓練、見習い訓練、在職訓練が含まれ、初級、中級、高級の技師職業資格訓練とその他の適応性訓練などをカバーしている。国は、高等職業学校、高級技工学校、中等専門技術学校、技工学校、就職訓練センター、民間職業訓練機構、企業従業員訓練センターなどの職業訓練機構の発展を通じて、全方位、多段階の職業教育と訓練システムを確立し、都市部の新しく生まれた労働力、一時帰休者、農村から来た労働力と在職従業員の訓練を強化することに努めている。技工学校は技術労働者の養成を主とし、同時に各種の長・短期訓練を行う総合的職業訓練基地であり、就職訓練センターは新しく生まれた労働力と失業者を訓練する基地であり、実用技術と適応性の訓練を主とするものである。 2003 年末現在、全国に技工学校が 3167 校(そのうち 274 校の高級技工学校を含む)あり、在校生が 191 万人で、社会のために延べ 220 万人に各種の訓練を行った。就職訓練センターが 3465 カ所、民間訓練機構が 1 万 7350 カ所あり、年間に延べ 1071 万人を訓練した。

    ――就職前の訓練を強化する。中国は労働準備制度を全面的に実施し、新しく生まれた労働力の就職前訓練制度を制定、実行し、都市と農村をカバーする職業訓練ネットワークが形成され、都市部の新しく生まれた労働力のほとんどに労働準備訓練を受けさせ、農村の新しく生まれた労働力、特に非農業産業に従事するかあるいは都市部に移転する農村労働力を労働準備訓練の範疇にちくじ組み入れている。 2003 年、都市部の上級学校に進学できなかった 126 万人の中学校・高校卒業生は労働準備訓練に参加した。

    ――勤労者の技能訓練を強化する。 2002 年から、国は「職業訓練を強化し、就職能力を高める計画」と「高級技能人材訓練国家プロジェクト」を実施し始め、また「 3 年間で 50 万人の新技師を養成する計画」を実施し始め、全社会で技能振興行動を広く繰り広げ、技術技能勤労者、特に高級技能人材の育成を速め、勤労者全員の就職能力、勤務能力、職業転換能力を高めている。また新素材、新技術、新設備に関する訓練を重点的に繰り広げ、企業がさし迫って必要とする技術技能型、複合技能型の人材およびハイテクを発展させるのに必要な知識技能型の人材を養成している。 2003 年、各種のポスト技能訓練を受けた全国の企業従業員は延べ 3400 万人に達した。

    ――再就職訓練を強化する。中国政府は再就職訓練を一時帰休者の再就職を促進する通常制度として確立した。 1998 年から 2000 年にかけて、政府は「 3 年間 1000 万人再就職訓練計画」を実施し、 3 年間で合計 1300 万人の一時帰休者を訓練し、そのうち 65 %の人は再就職を実現した。経験を総括した上で、第 2 期の「 3 年間 1000 万人再就職訓練計画」を実施し、 2001 年から 2003 年にかけて、柔軟、多様な訓練形式で、合計 1530 万人の一時帰休者を再就職訓練に参加させた。 1998 年以来、全国の 30 都市で創業訓練が展開されている。訓練指導、政策諮問、追跡サービスを通じて、一時帰休者の個人経営と私営経済に従事するか小企業を創設する能力を確実に高めた。全国の各クラス労働組合の創設した職業訓練機構は、延べ 360 万人の一時帰休者を訓練した。 2003 年、全国で約 28 万人が創業訓練に参加し、そのうち約 14 万人が創業に成功したか自分で職を探した。

    ――遠隔訓練を発展させる。中国政府は情報ネットワーク技術と衛星によるデータ伝送技術を利用して、遠隔訓練を大いに発展させている。国は遠隔職業訓練の総体的計画の制定と実施を速め、社会化、開放式の訓練ネットワークをちくじ形成した。

    職業資格証明書制度を全面的に推進する

    中国は 1994 年に職業資格証明書制度を実施してから、職業資格証明書制度の法律・法規と作業システムを一応確立した。 1999 年、中国政府は社会全体で学歴証明書と職業資格証明書を同様に重視する制度を実行することを要求した。 2000 年、就業許可制度の枠組みが一応構築された。現在、中国では国の職業資格に対応する、初級、中級、高級の技工から技師、高級技師に至る 5 クラスの職業資格訓練システムが基本的に確立され、勤労者の生涯学習システムの重要な構成部分となっている。現在、全国に職業技能鑑定機構が 8 万余カ所あり、職業技能鑑定の評定要員が 18 万人おり、職業技能鑑定の平均合格率は 84 %で、延べ 4500 万人が職業資格証明書を獲得した。

    技能競技と技術名手表彰活動を展開する

    中国の職業技能競技は国、省、市の 3 クラスの競技がある。国家クラスの技能競技は一般には1年おきに行われる。同時に、政府、労働組合、企業の 3 者が緊密に協力して、業界と企業クラスの職業技能競技を繰り広げ、従業員の職業技能レベルを高めている。 2003 年、全国で技術訓練、技術競技に参加した従業員は 1800 余万人に達した。 1995 年から、国は毎年 10 人の「中華技能大賞」受賞者と 100 人の「全国技術名手」を選出、表彰した。