中国の鉱物資源政策


六、鉱物資源の管理を強化




    新中国成立50余年来、中国の鉱物資源管理はちくじ強化されるとともに、法制化、規範化、科学化の軌道に乗り始めている。

    ――鉱物資源管理の法律、法規を制定し、ちくじ整備している。中国はすでに憲法を基礎とし、鉱産資源法および関係ある法律、法規で構成される鉱物資源の法体系が確立されている。1982年以来、中国の立法機関は陸続と鉱物資源法、土地管理法、石炭法、鉱山安全法、環境保全法、海洋環境保全法、海域使用管理法などの法律を公布、施行し、また「鉱物資源法実施細則」、「海洋石油資源対外協力採掘条例」、「陸地石油資源対外協力採掘条例」、「鉱物資源探査区域登録管理規則」、「鉱物資源採掘登録管理規則」、「探鉱権採鉱権譲渡管理規則」、「鉱物資源補償費徴収管理規定」、「鉱物資源監督管理暫定規則」、「地質資料管理条例」など20余件の付属法規と規則を公布、施行し、各省、自治区、直轄市も関係ある地方法規を制定した。これらの法律と法規は中国の鉱物資源管理の基本的法律制度を確立し、法による行政、法による鉱山管理、法による鉱山経営に法的保障を提供した。

    ――鉱物資源管理体制の改革を深化する。経済体制改革の要求に絶えず適応するため、中国は鉱物資源管理体制を改革し、政府の機能を転換、強化し、行政と企業の分離、行政と事業体の分離を実行している。1950年から1981年にかけて、鉱物資源はそれぞれ元地質部と関係工業管理部門によって管理され、地質部門は主に全国の地質探査、鉱物資源埋蔵量管理、地質資料の収集・管理などを担当し、関係工業管理部門は鉱物資源の採掘管理を担当した。1982年、地質部は地質鉱産部に改名し、鉱物資源の開発・監督・管理と地質探査業種管理を担当することになった。1988年と1993年に政府機構改革が行われた際、地質鉱産部の地質鉱物資源に対する総合的管理、地質探査活動に対する業種管理、地質鉱物資源の合理的開発・利用・保護に対する監督・管理、および地質環境に対するモニターリング・評価・監督管理など四つの基本的機能がいちだんと明らかにされた。中央政府の鉱物資源に対する統一的管理を強化し、鉱物資源の国家所有権を守るため、1996年1月、全国鉱物資源委員会を発足させた。1998年の政府機構改革で、元国家計画委員会、石炭、冶金など関係ある工業部門の鉱物資源管理機能を国土資源部に移し、全国の鉱物資源の統一的管理を実現した。現在、全国の90%以上の地区(市)と80%以上の県では、地質鉱産行政管理機構が設けられた。

    ――鉱物資源の計画管理を強化する。鉱物資源計画は鉱物資源の探査・開発・利用の指導的文書で、マクロコントロールを実施する根拠である。中国政府は、鉱物資源の計画管理をいちだんと強化し、計画システムを完全なものにし、計画責任、計画審査、計画公告、計画作成・改正、計画監督などの制度を厳格にし、計画のPRを強化し、計画実施保障と情報フィードバック・システムを確立し、計画目標の実現を確保している。

    ――探鉱権・採鉱権管理制度を改革する。中国の憲法と鉱物資源法は、「鉱物資源は国家所有」と明確に規定している。国務院が国の鉱物資源所有権を行使する。これと同時に探鉱権・採鉱権管理制度を改革し、探鉱権と採鉱権の財産権の性質を明確にし、探鉱権と採鉱権の有償取得と法による譲渡制度を確立した。探鉱権を有する人が探査区内の採鉱権を優先的に取得する法律制度を確立し、探鉱権と採鉱権の排他性を強化した。鉱物資源探査・採掘の審査・認可および探査許可証、採鉱許可証発行の権限を改革した。探鉱権と採鉱権は、入札、競売、公示などの競争方式を通じて、有償で取得することができる。探鉱権と採鉱権の譲渡は市場のルールにしたがうと共に、政府部門の認可を得、法によって譲渡の手続をすべきである。中国政府は引き続き財産権がはっきりし、規則が整備し、力強くコントロールし、規範的に運営する要求にしたがって、探鉱権と採鉱権市場を育て上げ、規範化させ、市場運営に対する監督・管理を強化する。

    ――鉱物資源有償使用制度を健全にする。中国の鉱物資源法は、鉱物資源は有償使用制度を実行すると明確に規定している。中国政府は1994年から採鉱権を有する人から鉱物資源補償費を徴収しはじめ、中国の鉱物資源無償採掘の歴史に終止符を打った。鉱物資源補償費の徴収(海上と陸地でのオイル・ガス資源の協力採掘は鉱区使用費を納付する)は、国の鉱物資源所有者としての権益を具現し、鉱物資源の保護と合理的利用を促進する経済的奨励システムを確立した。中国政府の徴収する鉱物資源補償費は国の予算に組み入れられ、特定項目として管理され、主に鉱物資源探査に用いられる。法律・法規の規定に合致する採鉱権を有する人は鉱物資源補償費の納付を減免することができる。中国政府は、1998年から探鉱権、採鉱権を有する人から、探鉱権使用料、採鉱権使用料および国の探査出資で形成された探鉱権代金、採鉱権代金を徴収すると規定した。西部地区、少数民族地区、政府に確定された辺境貧困地区および海域で、条件にかなった鉱物資源の探査・採掘活動に従事する場合は、探鉱権と採鉱権の使用料およびその代金の納付を減免することができる。

    ――鉱物資源の管理秩序を整頓し、規範化させる。良好な鉱物資源の管理秩序は鉱物資源の保護と合理的利用の前提である。1986年に鉱物資源法が公布、施行されてから、中国の立法機関は何度も法律執行状況を検査した。1995年以来、中国政府は全国で大規模な整備・整頓を展開し、段階的な成果をあげ、鉱物資源の管理秩序を好転させた。今後、中国政府は引き続き法律執行と監察にいっそう力を入れ、鉱物資源の管理秩序を整頓し、規範化させ、安全生産の監督を強化し、法によって鉱物資源の国家所有権益と探鉱権、採鉱権を有する人の合法的権益を守る。

    ――政府部門のサービスレベルを高める。サービス方式を改善し、公開、透明、規範的、高効率の要求に従って、行政を公開する。各クラスの鉱産資源管理部門は、その執務制度、審査・認可事項、要件、基準、期限などを社会に公示し、社会の監督を受け入れる必要がある。内部の合同審査、 窓口の事務処理、行政責任追究などの制度を確立し、健全にする。公示制度を確立し、鉱物資源の埋蔵量、探査・開発状況を公布し、地質資料の情報を逐次全社会に公開する。情報問い合わせ制度を確立し、全社会がすかさず、便利に、速く国の鉱物資源の計画、政策、法律・法規、資源埋蔵量の分類基準、探査区域の登録情報、採鉱登録情報、鉱物資源補償費の徴収率と納付方法などの情報を問い合わせることができるようにする。同時に、情報技術を大いに利用して、仕事の能率とサービスレベルを高める。

    中国は人口が多く、資源が相対的に欠乏する発展途上国である。中国は引き続き改革を深化させ、開放を拡大し、確固として社会主義市場経済を発展させ、持続可能な発展の道を歩み、資源を合理的に利用、保護する。中国は以前のように資源環境の国際協力に積極的に参与し、世界諸国とともに、人類社会の持続可能な発展を実現するため、手を携えて奮進することを望んでいる。