中国21世紀の人口と発展


. 目標と原則




    10、人口開発問題解決での中国の基本的出発点は:人口が多く、一人当たりの平均資源が少なく、経済と科学技術レベルのいずれもが比較的立ち遅れているという基本的国情を立脚点とすることを堅持し、世界各国の管理ノウハウと科学成果を参考にし、中国の実情と組合せ、人口開発の過程で絶えず現われる問題を解決し、中国の特色を持つ人口開発の道を歩むこと。持続可能な発展という戦略方針を堅持し、開発の過程で人口問題を解決し、人口と経済、社会、資源、環境が相互に協調して発展し、国の現代化と人間の全面的発展を実現すること。人権の実現を基本目標とすることを堅持し、人権の普遍性の原則と自国の国情とを組合せ、生存する権利、発展の権利を首位に置き、人民が公民的、政治的、経済的、社会的、文化的など各基本的権利及び自由を享受できるレベルの向上に努力すること。人民の異なる文化的背景、宗教的習俗と道義的考えを尊重し、開発での優先的事項と条件、権利と義務統一を充分考慮した上で、人口開発の企画と政策を制定し、社会のメンバー全員が平等に発展していくチャンスを持つようにさせることである。    

    11、中国の人口と開発の目標:

    ――2005年までに全国の人口の数量を13億3000万以内(香港・マカオ特別行政区と台湾省を含まず)に抑え、人口の年間平均自然増長率を9‰未満とする。医療衛生とリプロダクティブヘルスサービスを全面的に推進し、避妊措置の事情を知った上での選択を実施し、妊・産婦の死亡率を十万分の42前後に下げ、嬰児の死亡率を3.1‰前後に抑える。九年制義務教育による成績を固く引き上げ、貧困地区と少数民族地区の九年制義務教育普及活動を重点的に強化し、都市部と条件のある農村地区での高級中学段階教育実施という社会的需要を一応満たし、初級中学への純入学率を90%以上に引き上げ、高等教育への純入学率を一層高め、都市部と条件のある農村地区に社会保障制度を初歩的に確立させる。

    ――2010年の全国の人口数量を14億以内に抑え、人民の生活がより裕福になるようにする。人口の素質を著しく向上させ、全国人口の教育を受ける年限を発展途上国の先進レベルにまで引き上げ、大衆が一応の医療保健とリプロダクティブヘルスサービスを受けられるようにし、避妊措置の"事情を知った上での選択"を広く実施し、出生の性別比を正常にしてゆき、人口の高齢化がもたらす問題の解決に努力し、全社会をカバーできる社会保障システムを初歩的に確立する。

    ――21世紀半ばまでに、全国の総人口をピーク値(16億近く)達成後にゆっくりと下降させる。人口の素質と健康レベルは全面的に高まり、高級中学段階の教育と高等教育を大衆化させる。完備した効率の高い社会保障システムを確立する。人口分布と就業構造の比較的な合理化をはかり、人口の都市化レベルを大幅に上げていく。人民の生活を裕福にし、一人当たりの平均所得を中等の先進諸国のレベルにまで引き上げ、社会のモラルを著しく向上させ、人口と経済、社会、資源、環境が相互に協調された持続可能な発展と国の現代化を一応実現させる。

    12、中国の人口開発問題解決で遵守する基本原則:

    ――人口と開発の総合的な政策決定。経済と社会の発展を加速させ、科学技術と教育を高度に重視し、人民の生活レベルと国民の素質を向上させ、人口問題の解決を国民経済と社会発展の全般的企画に組み入れ、各付属政策を制定し、その完全化をはかり、人口と経済、社会、資源、環境が相互に協調した持続可能な発展を促す。現行の出産政策を安定させ、完全なものにしていく。

    ――人口問題の総合的処理。社会主義の市場経済体制に適応した人口と計画出産活動調整システムと管理システムを確立し、それを完全なものにし、法律、教育、経済、行政などの措置を講じ、人口問題を総合的に処理する。

    ――国の指導と大衆の自由意思とを組合せる。国は政策を制定し、かつ必要な保障措置を提供し、国の利益と個人の利益、長期的利益と短期的利益、全般的利益と局部的利益のいずれをも考慮し、行政管理と大衆への啓発活動を結びつけ、大衆の自由意思による参与の自覚を高める。

    ――全般的推進と分類的指導。農村と経済の未発達地区を重点にし、これらを優先にする原則を決め、都市部と発達地区のモデル的役割を発揮させ、異なる地区での深化と発展を推進する。

    ――人間の全面的発展を中心とする。人民大衆の主人公としての地位を尊重し、その合法的権益を擁護する。計画出産と経済発展や大衆が働いて豊かになることを支援し、モラルが高く幸福な家庭を作り上げることを組合せ、大衆への優れたサービス提供に努力していく。