一つの中国の原則と台湾問題


まえがき




    1949年10月1日、中国人民は新民主主義革命の偉大な勝利をかちとり、中華人民共和国を樹立した。国民党支配集団は中国の台湾省に退き、外国勢力に支えられて中央政府と対峙し、これによって台湾問題が生じた。    

    台湾問題を解決し、中国の完全な統一を実現することは、中華民族の根本的利益に合致する。50年来、中国政府はそのためにたゆまず奮闘してきた。1979年以後、中国政府はきわめて大きな誠意をもって、「一国二制度」の方式で平和統一を実現するために最大の努力を払ってきた。1987年末から、両岸の経済・文化交流および人的往来は長足の発展をとげた。ところが、90年代以後、台湾当局の指導者・李登輝は次第に一つの中国の原則を放棄し、「二つの中国」をつくり出すことを核心とする分裂政策を極力推しすすめ、さらには両岸関係は「国と国、少なくとも特殊な国と国との関係」であると公然と主張するまでになった。これは、両岸の平和統一の基礎をゆゆしく損ない、台湾同胞をふくむ中華民族全体の根本的利益を損ない、アジア太平洋地域の平和と安定に危害をもたらすものでもある。中国政府は終始一貫して一つの中国の原則を堅持し、台湾を中国から分裂させようとするいかなる企みにも断固反対している。中国政府と李登輝をはじめとする分裂勢力との闘争は、一つの中国の原則を堅持するか、それとも「二つの中国」、「一つの中国、一つの台湾」をつくり出すかの問題に集中的に現われている。

    われわれは1993年8月に白書「台湾問題と中国の統一」を発表し、台湾は中国の不可分の一部であること、台湾問題の由来、台湾問題を解決するための中国政府の基本方針および関係政策について系統的に論述した。ここに、さらに国際社会に向けて一つの中国の原則を堅持する中国政府の立場と政策を述べる必要がある。