間もなく開催される第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議は、2003年の中央・地方の予算執行状況と2004年の中央・地方予算案に関する報告を聴取し審議する。なかでも、農業の各方面にわたる発展を支援するための中央財政支出がとくに注目を集めている。
中央財政経済指導グループ弁公室によると、昨年の農業支援資金は1200億元余りで、今年は300億元増えて1500億元を超えるという。この数字は、9億の農民それぞれが166元の恩恵を受けることを意味する。
166元と言えば、たいした数字ではないが、農民1人平均であることを考えれば、たいした数字であり、農業への中央の財政支出は過去最高となる。
ある権威筋は、新規増加資金の使途について(1)税金・費用徴収改革の支援(2)生態整備、とくに森林や水利など(3)社会事業の発展、とくに教育や衛生、青年農民の訓練(4)中小規模の基盤施設整備や貧困支援事業――の4点を挙げた。
新年始めに公布された中央政府の第1号文書から、その後に中央の各部・委員会、各省・直轄市・自治区が相次いで公布した一連の農業支援関連の政策措置は、いずれも直接的に農民の収入増と負担減を指向し、直接的に農村の全面的な発展を指向しており、広範な農民にとっては実際的なものである。青年農民の訓練だけを例にしても、政策措置は現実にかなっている。
◇250万人――農村労働力のなかで過去、専門の技能訓練を受けたことがあるのは僅か9.1%に過ぎない。農業部や財政部などは年初、「農村労働力移転のための訓練プログラム」をスタートさせた。雇用者数の多い建築や製造、飲食、家庭サービスなどの業種を対象に短期の職業技能訓練を実施するというもの。資金は国が拠出し、250万人の農民が参加できる。
◇1000万人――農業部はすでに「全国郷鎮企業訓練プログラム」をスタートさせた。郷鎮企業に就職する農民労働者を対象に、就業前と就業後に訓練を実施するというもの。2008年までに就職前の訓練参加者は延べ1000万人、就業後は同1億3000万人に達する計画だ。
◇60億元――政府は農村の義務教育を教育事業の最優先にすることを決定しており、教育関連経費の新規増加分は主に農村に充てられる。2007年までに西部地区での九年制義務教育普及率を85%以上に、青壮年の識字率を95%以上高める。中央政府が拠出する専用資金は60億元で、3年の時間をかけて、中西部地区から小中高の危険校舎をほぼ無くす計画だ。
農業への中央の財政支出が過去最高となることは、党と政府が「三農」問題を非常に重視していることの表れだが、第1号文書の政策措置が真に農民に恩恵をもたらすうえでカギとなるのは、着実に実施することである。
「チャイナネット」2004年3月4日