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【インタビュー】「戒厳」と「緊急状態」の違いについて

王兆国全国人民代表大会常務委員会副委員長は2004年3月8日、北京の人民大会堂で全人代の代表全体に憲法改正案についての説明を行った。今回の憲法改正の内容は13カ所にも達し、ほとんどこれまで3回の憲法改正内容の総和となった。このほか、改正内容は重要で深遠な意義を持ち、社会各界の注目を集めている。このため、チャイナネットは中国人民大学法学院の胡錦光教授にインタビューし、今回の憲法改正の重点的な改正内容およびその背景と意義についてその見方を語ってもらった。

 チャイナネット 今回の憲法改正案草案は憲法の第六十七条、第八十九条の中の「戒厳」を「緊急状態」に改めているが、この両者の違いは何か?なぜこのような改正を行うのか?

 胡錦光教授  もとの憲法は戒厳しか規定しておらず、それの適用する条件と範囲はわずか(大規模な)騒動、暴力行動、衝突という三つの状況だけに限られていた。戒厳は主に武力による、暴力による、社会秩序に危害を与える非常な情況に鑑みて軍事力でそれを抑制する状態のことである。しかし、われわれの生活の中には戒厳の対象としているような状態が現れる可能性しかないのではなく、例えば昨年のSARSと今年の鳥インフルエンザは戒厳の方法で処理することはできず、その他の手段と措置で秩序をコントロールし、正常な秩序を回復するしかない。したがって、「戒厳」を「緊急状態」に改めることになったのである。緊急状態の範囲は戒厳より広いものであり、現代社会の必要にも応えたものでもある。 また、緊急状態の状況の下で、国は非常手段をとって緊急な事態を処理し、それによって社会に正常な秩序をもたらすか、それを回復する効果をもたらさなければならない。その過程において、憲法のいくつかの条文と法律の中のいくつかの規定は一時的な中止状態に置かれるかもしれず、その中止状態は公民の権利に響くものかもしれない。例えば、緊急状態の状況の下で、公民の憲法の中にあるデモ行進の権利はなくなってしまうのであり、隔離を必要とする場合は、人身の自由は一定の制限を受けることになるなどがそれである。われわれが規定している緊急状態が法制の軌道に組み入れられるなら、緊急状態の下で公民のどの権利が停止状態になり、どの権利がまだ行使できるかの線引きが比較的に明確なものとなる。相対的に言って、緊急状態は人権に対する有力な保障である。

「チャイナネット」2004年3月11日


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