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「グリーンGDP」が行政実績の考査指標に

国家統計局と国家環境保護局は今、共同で「グリーン国内総生産(GDP)査定指標」を作成中で、今後この指標を地方の幹部を対象にした行政実績考査システムに盛り込む計画だ。

国家統計局チーフエコノミストの姚景源氏は「完備された算定システムはまだ構築されていないが、統計機関は今年に入り、GDPデータを公布すると同時に、少なくとも環境と資源、生態などの変化の状況を項目別に発表して、経済成長を実現するためにこの面で払った代価を反映させるようにした」と説明した。

北京や浙江、安徽、広東、福建、江蘇など多くの省・直轄市政府もすでに環境保護などの面での損失を算入したグリーンGDPを経済統計システムに盛り込むよう明確に求めている。清華大学国情研究センターの胡鞍鋼主任は「これは中国が成長優先の『ブラック発展』から全面的にバランスの取れた『グリーン発展』へと急速に転換したことを示すものだ」と評価した。

中央政府は全国各地に対し科学的な発展観、正確な行政実績観を樹立して着実に実行し、経済成長の質と収益の向上に力を入れて、社会全体の全面的かつ調和の取れた持続可能な発展を実現するよう呼びかけ始めた。

温家宝総理は5日行った『政府活動報告』で、「人と自然との調和の取れた発展を統一して進めるという要求に基づき、人口や資源、環境事業を円滑に実施していかねばならない」と指摘した。全国人民代表大会(全人代)の代表、中国共産党福建省三明市委員会の葉継革書記は「グリーンGDPは成長と発展の関係をしっかりと把握しなければならない、という重要な意義を内包している。三明市はすでに生態整備目標を策定しており、環境整備を円滑に進めたうえで、バイオ医薬や苗木畑、エコ観光を主体にした生態経済を大々的に支援していく」と強調。実際、早くからグリーン意識を備えた省・直轄市では環境が収益をもたらしている。中国共産党安徽省黄山市委員会書記を務める王啓敏代表は「黄山市は一貫して保護と開発を結びつけた発展の原則を堅持してきた。観光地の収益は除き、良好な環境が製薬業やグリーン食品加工業、紡織業などで385件の外資プロジェクトを呼び込み、住民の年平均収入は年々上昇している」と説明。だが国家統計局の高官は「完備されたグリーンGDP考査システムの構築に当たって今、従来の資源をいかに評価するかという問題に直面している。市場価格は取り引きしてはじめて生まれるもので、環境汚染や資源の損耗についてはその価値の数量を算定するのは難しい」と指摘し、当面はまず実物面から査定に着手することになるとの考えを示した。

「チャイナネット」2004年3月14日


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