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台湾問題が祖国統一にプラスとなる方向へ発展
台湾当局がこのほど「病気治療」の目的を看板に李登輝の日本訪問を実現させたほか、台湾に大量の先進的な兵器の売却を批准するようアメリカ政府に積極的に働きかけている。台湾当局の意図はどこにあるのか、いったい両岸関係をどこへ導こうとするのか。これについて台湾問題の専門家である中国国際問題研究所の郭震遠研究員はこのほどチャイナネットのインタビューに応じ、台湾当局のやっていることは陳水扁が分裂の立場を固持することの表面的な現象に過ぎなく、陳水扁をはじめとする台湾島内の分裂勢力はすでにピークを通り越した。現在、島内の情勢は中国統一の実現にとってプラスとなる方向へと転換しつつあるとの見解を示した。

郭震遠氏は次のように語った。陳水扁は就任いらい、いわゆる「善意」の行動をたびたび示したものの、「一つの中国」の原則をあくまで受け入れないばかりか、「92年の共通認識」さえ否定している。彼が李登輝なき「李登輝路線」を堅持し、「二国論」を受け継いでいることは疑いない。彼が李登輝の訪日、訪米、アメリカからの新鋭兵器の大量購入などを推し進めた行動は、分裂の立場を固持している表れそのものである。彼がそうしなかったらかえっておかしくなる。アメリカが兵器を売却するなら彼は当然喜ぶだろう。というのは、これは台湾が兵器を購入したという問題だけでなく、米台間の軍事関係の重要なレベルアップを意味するものでもあるため、彼の分裂の立場に合致している。ただ、これにはまた非常に複雑な問題があり、陳水扁は各方面の具体的な利益を全般的に考慮する必要がある。例えば、「キッド」級駆逐艦はすでにアメリカでは淘汰された時代遅れのものだという声が台湾島内で耳にすることができ、台湾当局は島内の言論を配慮しなければならないが、これもある度合いにおいて陳水扁の意思決定に響くことになろう。それから、これだけ莫大な資金を払う甲斐がいったいあるのかという問題もある。台湾経済はここ数年持続的に低迷しており、失業率も上昇の一途を辿り、民衆の自信も谷底に落ち込んでいるので、台湾当局の置かれた境地も確かに良くないだろう。

 郭震遠氏は、アメリカの台湾への兵器売却は両岸関係に影響を与えるが、転換的または重要な影響が出るほどのものではない。その影響は、昨年以来の両岸関係の変化を背景とする要素の変化であろう、としている。

郭震遠氏は次のように指摘した。昨年以来の両岸関係の大きな背景というのは、陳水扁の当選をメルクマールとして、島内の情勢も両岸関係も変化が見られたことである。この変化をどう見るべきか?その見通しはいかがなものだろうか?陳水扁の当選を転換点として島内の分裂勢力は一時的に思うままになったが、台湾島内外の多くの矛盾も激化させた。この矛盾の激化は台湾問題全体を中国の統一にプラスとなる方向へ転換させている。郭震遠氏は、陳水扁の当選で台湾問題が解決しにくくなり、両岸が戦争をする以外に他の可能性はないとの見方には私は賛同できない、と語った。

 中米関係と台湾問題の専門家として郭氏は、今後かなり長い期間、国際環境には二つの基本的な特徴がある。一つは、台湾の公然たる独立にとっては有利ではない。もう一つは、中国の統一にとっても有利ではない、特に早期実現にとっては有利ではない。

 まず、もし台湾が公然と独立を宣言したらアメリカ、日本などの周辺国の利益に必ず大きな損害を与えることになる。なぜなら、台湾が公然と独立すると、両岸は必ず干戈を交えることになる。そして、両岸が干戈を交えることになれば二つの影響が出てくる。一つは、台湾海峡全体とアジア太平洋地域が戦乱の中に置かれる。二つは戦争の結果としてかならず大陸側が台湾に勝って中国の統一を実現することになる。戦略的に見ると、アメリカや日本は統一された強い中国の出現は好ましくないと考えているので、絶対に戦争を目にしたくないはずである。言い換えれば、台湾が公然と独立する場合のみに限って戦争の可能性が出てくる。台湾が公然と独立しないかぎり、少なくともかなり長い期間大陸は武力行使はしないだろう。このような状況のもとで、米日は台湾の独立を支持しない。この姿勢は李登輝が1999年に「二国論」を打ち出した後にすでにはっきりしているが、昨年の陳水扁就任以来再び強調された。アメリカの対台湾政策は90年代の調整を経て現在ほぼ固まっている。その中心となる政策の目標は、アメリカの主導のもとで海峡両岸の間の平和的な、但し一つではない状態を維持するということである。一つではないことが内容の中心であり、「和」は一つではないの前提である。台湾の独立はアメリカの国益に合致しないから、アメリカはそれを支持するわけがない。したがって、台湾が公然と独立する国際環境は少なくともかなり長い間現れないだろう。

 第二、アメリカは台湾の独立を支持しないが、中国の統一を支持するわけでもない。これもアメリカの利益によって決まったものである。中国大陸の台湾への武力行使に断固反対することは中国の統一問題を長期的に引き延ばすためである。

また、郭震遠氏は次のように指摘した。昨年のアメリカ大統領選の中で、対中政策や台湾問題は焦点にならなかったが、アメリカの数多くのシンクタンク機構と学者は90年代におけるアメリカの対台湾政策を深く反省した。台湾問題について「ファジーな戦略」から「明確な戦略」への転換を提言する人もあった。つまり、大陸が台湾に武力行使をしてはならないが、台湾も公然と独立してはならないと明言することである。「曖昧な戦略」を維持すべきとの見方もあったが、現在ブッシュ大統領は戦略を明確化する道を歩もうとしているように見える。

ただ、アメリカ政府の現在の戦略的調整が両岸関係に与える影響には限度があると、郭震遠氏は強調している。なぜかというと、陳水扁政権にしても今後の他の指導者にしても、今後の長い期間に台湾当局は公然と独立する道を歩む可能性は大きいものではない。これは両岸関係および国際情勢によって決まったものである。しかし、台湾独立へのアメリカの圧力と制約にも限度があるし、アメリカはそれを長期的に維持するつもりもないだろう。また、アメリカは中国大陸に台湾への武力行使をしないよう要求しているが、これはまさに中国大陸に圧力をかけているのである。したがって、アメリカの対台湾政策の明確化というのは主に大陸側に圧力をかけることで、これは台湾島内の分裂勢力にとっては励ましとなっている。

そしてこれについて郭震遠氏は次のよう分析している。陳水扁をはじめとする台湾当局は両岸関係をめぐって新たな手を打ち、新たな行動に出る可能性は十分ある。例えば、彼は台湾の主体性をよりいっそう強調し、台湾が独立すると言う変りに、台湾が一つの「独立的な主権国家」だとところを突出させることであるが、これは事実上「二国論」をさらに具体化することである。ただ、台湾島内で陳水扁をはじめとする分裂勢力はすでにピーク期を通り越している。したがって、今後の両岸関係の発展の過程はかなり紆余曲折のあるものとなり、反復があるかもしれないが、最近の両岸関係をめぐっての出来事は、その過程の中の一つの曲折、一つの反復に過ぎない。

郭震遠氏はまた次のようなことにも言及した。先日台湾の友人と雑談した際、台湾の「統一派」はもともとは島内であまり自分の意見を述べる勇気はなかったが、陳水扁の就任後、全般的な環境の変化によって、統一ということが島内の民衆にますます重視されるようになり、統一か独立かといった問題も島内で日増しに注目されるようになっていることをお互いに感じるようになった。これは台湾の運命を決める大きな事柄であると島内の民衆がすでに認識するに至っているから、「統一派」の人たちも正々堂々と「両岸は必ず統一しなければならない」と言えるようになった。この側面からも両岸関係の大きな流れを読み取ることができよう。

「チャイナネット」2001年5月24日

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