周知のように、当面の世界のさまざまな組織とフォーラムは雨後のタケノコのように次々と現れ、豊富多彩と言える。知名度のあるものとして、アジア太平洋経済協力閣僚会議(APEC)、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、東アジア諸国首脳会合(10+3)、ダボス世界経済フォーラム、フォーチュン・フォーラムなどがある。世界的にさまざまなフォーラムと区域的組織がたくさんある以上、博鰲アジア・フォーラムの特徴と役割は何か?
発起人の1人であるラモス氏は博鰲アジア・フォーラム設立大会で、「アジアに類似したフォーラムがすでにたくさんあるとはいえ、知的サポートと外交経験の面で博鰲アジア・フォーラムに匹敵しうるものは一つもない」と語った。
江沢民中国国家主席(当時)のあいさつは博鰲アジア・フォーラムの時代的特徴を明らかにし、「博鰲アジア・フォーラムは各方面の人々にアジア地域の経済の発展および人口と環境の問題をともに検討するハイレベルの対話の場所を提供し、経済のグローバル化の背景の下でアジア諸国が対話を強化し、協力を求め、共同の発展を実現することを望む時代の要請を反映するものである」と語った。
アナン国連事務総長の祝電もアジア・フォーラムの役割を高く評価し、「各分野の指導者が博鰲アジア・フォーラムで自由かつ開放的に討論を行うことは世界により多くの声を聞いてもらう上で役立ち、このことはアジアばかりか、国際社会全体にもメリットをもたらすことになろう」と述べた。
博鰲アジア・フォーラムの英語の名称はAsia Forumではなく、Boao Forum For Asiaであることもその特徴を示すものであり、その開放性、パンアジアと国際性を強調している。博鰲アジア・フォーラムは後発のすばらしいフォーラムとして、上述の組織・フォーラムと比べて多くの共通性を持っているほか、また次のような異なった特徴がある。
(一)初めてアジアに立脚して、アジアの視角から世界の重要な経済問題を見ると同時に、また世界のその他の地域との対話と交流を通じてアジア内外との経済的結びつきを深化させるフォーラムである。博鰲アジア・フォーラムは一定の意味において、上述の組織とフォーラムに対する有益な補完であり、それらの協力パートナーでもある。
(二)初めて26カ国の代表の共同発起によって設立された非政府的性格のフォーラムであるが、背後では関係諸国政府の全力をあげてのサポートを受けている。
(三)創設のための準備がすすめられている博鰲アジア研究・トレーニング学院は最も有力な専門家と教授を招請して博鰲アジア・フォーラムでポストにつき、しかも世界一流の科学研究院・研究所と提携して、フォーラムの知的サポートと人的資源の開発に責任を負うことになる。これは博鰲アジア・フォーラムとその他のフォーラムとの著しい相違点であると言えるかも知れず、博鰲アジア・フォーラムの強みのよって立つところでもある。
(四)包容性が強い。これはアジア諸国間の経済の発展にかなり大きな相違点――先進国もあれば未発達国もあることが存在している点に現れているばかりでなく、さまざまな宗教の種類、例えば仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教とギリシャ正教などがあることにも現れている。
(五)フォーラムの本部所在地の博鰲は面積が41.8平方キロで、川あり、湖あり、海あり、山ありで、その豊富多彩な自然環境はアジアで特色を持っているばかりでなく、グローバルでもまれに見るものであり、しかも博鰲のトータルな企画は終始フォーラムを中心的な位置に置いている。
「チャイナネット」2004年4月19日