甘粛省粛南ユイグー族自治県は河西回廊三大内陸河川の水源地で、この数年、粛南県は草原の退化を、砂漠化、アルカリ化の改善処理を行って草原の水分蓄積能力を向上させた結果、内陸河川水源地の生態環境が改善された。粛南県の今年の気候はやや乾燥しているが、牧草の成長は十分で、緑一色の大地が広がっている。
粛南県では輪牧制度が実行されており、果てしない秋季冬季の草原には、現在一頭の羊の姿も見ることができず、各季節の草場も数㌔にわたる囲いで「封鎖」されており、牧草を思いのまま成長させている。粛南県の張鳴実副県長は「現在、牧民と羊は山頂の夏季草場に行っていて、夏から冬にかけて、羊は段々と山頂から山麓に移動してきます」と説明してくれた。
この数年、全地球の気候が温暖化し、降雨量が減って乾燥して来ている上に、家畜の数が毎年増加しているので、粛南県の草原生態環境が年を追って悪化する趨勢にあった。食用の牧草の成長は制約を受け、粛南草原には各種の毒草が蔓延り、最もひどい時にはその面積は276万ムーにも達し、家畜の「食料田」に脅威を与えていた。粛南県ではこれに対し、薬物噴霧などの方法で毒草除草に努めた結果、毒草の量は日増しに減退している。
こうした措置により、草原生態に対する圧力が軽減され、植皮、草本生産量、水源蓄水能力が回復し、以前と比べて各段に向上している。現在、草原生態の直接的機能により、粛南県高山氷貯蔵量は甘粛省の氷貯蔵量の20%近くを占める159億㎥に達し、河西地区の「固体貯水池」と称されている。
「チャイナネット」2004/07/28