ショートスケートや中国の冬季種目の「スター級選手」――楊揚さんが、冬季五輪の金メダルを獲得したゆかりの地――ソルトレークにあるユタ大学に留学することになった。
これまでの一年間、楊揚さんは北京の名門・清華大学で経済管理の勉強をしていた。これからも経済管理専門コースの勉強を続け、清華大学も留学先で獲得する単位を認めることになった。アメリカでの生活について、きっと困難にぶつかることもある、と楊揚さんはちゃんと心構えをしている。まず言葉の問題。このほか、清華大学の先生たちは楊揚さんの特徴に合わせカリキュラムを設計してきたが、向こうではこうした優遇はけっしてないはず。でも試合に参加する際の精神で対処すれば、優れた成績を収めることができると確信している。
留学はしでも楊揚さんはやはり中国のナショナルチームのメンバーとしてとどまり、留学先の学校にも完備したトレーニング施設があるので、訓練を怠ることはない。もちろん学業の勉強が第一。
すでに53の国際試合で金メダルに輝いた楊揚さんに、これからの夢をたずねると、冬季種目で中国の人たちに広く知られることである、ということだった。それにはちょっとさびしい思いをした体験があった。ソルトレーク冬季五輪後、楊揚さんが国際オリンピック委員会(IOC)の会議に出席した際、そこでたまたま中国の観光団にぶつかった。IOCの方が中国人観光客に「この方はみなさんたちのお国の英雄――楊揚Aさんですよ」と紹介したのに、聞いている人たちは「楊揚さんって、誰のこと、卓球選手のことなの」と呆然とした様子だった。その時から、楊揚さんは自分の影響力に頼って冬季種目を普及する決意を固めた。
勉強の傍らトレーニングと試合を続けるのは容易なことではない。引退した方がよいのではないかと聞かれると、「全盛期に引退するのは、円満であるように見えるが、実際は自分に対して無責任となるのでは。コーチからもスポーツ選手としてはすでにピークを過ぎたと言われているが、自分はそう思っていない。いかなることに対しても、いかなる遺憾の思いを残さないよう120%の力を出し尽くすことです。さらに重要なのは、ショートスケートは自分がとことん夢中になっている種目で、やった!という感覚は試合でしか感じられません。そいうことで、軽がるしく引退を口にすることは絶対にできません。次の目標は2006年の冬季五輪です」と語った。
「チャイナネット」2003/11/18