新疆ウイグル自治区を横断する天山、阿爾泰(アルタイ)山中には国内でも極めて少ない原始林が今でも残っている。この緑を永遠に保護しようと、自治区人民政府は来年からこの一帯での天然林の伐採を全面的に停止することを決めた。
呼図壁(フトビ)林場ではすでに伐採道は廃棄され、道は枯れ枝に埋もれていたが、空き地には新生林が育ちつつある。林場の責任者は、労働者は新たな職を探しているところで、山間部の観光業の発展で生活条件は改善できると話している。
自治区林業局の張小平副局長は「伐採を禁止したり、育林に向けて人の出入りを禁止したりするなどの方法を講じてきたことで、新疆の山林資源は有効に保護された。とくに保護区の森林面積は10万3000ヘクタール近く増大し、立木の蓄積量も約1700立方メートル増加するなど、面積と蓄積量でダブル増を実現した。天然林の伐採停止を徹底すれば、天山とアルタイ山の原始林は完全に保護される」と強調。
政府が天然林保護プロジェクトを実施した当初、自治区政府は天然林の伐採量をそれまでの年間30万立方メートルから一気に8万立方メートルまで削減し、減少幅は全国のトップに。こうしたことから自治区政府は、天山とアルタイ山の原始林を全面的に保護するため、来年からこの8万立方メートルの伐採量を凍結、伐採の全面停止に踏み切った。
また自治区政府は、天山とアルタイ山周辺の山間部で、原始林再生プロジェクトを実施し、10年かけて禿山地帯に約33万ヘクタールの森林を蘇らせる計画。
共産党自治区委員会の王楽泉書記は「新疆ウイグル自治区は乾燥していて緑は少なく、砂漠化が深刻化している。森林資源は各民族にとって生命のルーツであり、天然林が80%以上の水源を涵養しているため、森林の保護はすなわち水資源の保護でもあり、生態のバランスを保持するうえでも重要だ」と指摘する。
「チャイナネット」2004年8月30日