最近、杭州の「在水一方(水辺にある、の意)」コミュニティーで、新しい老人ホームが売り出された。収容人数は50人で、毎月の納入金が高く、部屋の賃貸料と介護費用を合わせると、800-1500元になるにもかかわらず、入居申請者が殺到し、数多くの入居希望のお年よりが入居できないことに嘆いている。これは、敬老院、養老院の好況に続き、杭州の老人ホームも「供給不足」の状態となったことを示している。
早くから運営されていた、ベッド数60の「古蕩老人ホーム」でも、年間を通して満員状態になっていた。その一方、入居希望者の問い合わせの電話が後を絶たない。杭州市民政局社会福祉局の責任者によると、今現在、杭州市には社会福祉施設54、老人ホームが約1000もあり、お年寄りたちが利用できるベッド数は4141もあるが、ベッド数の高齢者人口に占める割合は93.67ベッド・万人で、国が定めた沿岸部都市老人ホームにおける保有すべきベッド数に比較するとギャップが極めて大きい。統計データによると、杭州市には、現在、60歳以上のお年よりが89.6万人、同市人口に占める割合は13,94%、人口の高齢化による社会のニーズに答えるため、今年末までに、杭州市はさまざまな老人施設5件を新たに売り出し、ベッド数を400増やす計画だ。しかし、それでも、ニーズに十分に答えることができない状態にある。
老人ホームに入居するのは、高額な費用が必要な上、お年よりたち本人にとっても、その子供たちにとってもいまだにメンツにかかわることと見なされている。では、老人ホームの供給不足について、どう説明すればよいか。
今年89歳で、体が丈夫な魏さんは、「在水一方」老人ホームの二人部屋に入居している。魏さんは数年前に夫に先立たれ、これまで、子供と離れ離れになって、一人で暮らしていたが、昨年、娘の気持ちを汲んで娘夫婦と一緒に暮らすようになり、とても面倒見のいい娘夫婦も心を込めて世話をしてくれていた。魏さんの生活は幸せそうに見えた。しかし、娘夫婦は共働きで、出勤すると、魏さんは毎日独りぼっちになり、本当に寂しかった。そこで、魏さんは、いろいろ悩んだ末老人ホームへ入居することにした。
老人ホームに入ると、環境も変わり、魏さんの生活は楽しくなった。魏さんは他の老人たちと世間話をしたり、興味のあることをしたりしている。彼女は書道が一番好きで、毎日練習に励み、ますます上達するようになった。魏さんにとって老人ホームでの生活は幸せそのものであった。
「チャイナネット」2004年9月15日