四川省のエイズ感染者が6万人を超え、その内、8割は薬物の静脈注射による感染である。このほど、「四川省中国イギリス性病・エイズ予防治療プロジェクト」関係者は、メディアに対して、初めてエイズに関する詳細な情報を公開した。伝えられるところによると、エイズの感染について一応の知識があるのは四川省の娯楽施設従業員の25%に過ぎなかった。
▽エイズ感染:青年・中年が中心
プロジェクト関係者の張霊麟氏によると、6月30日までのところ、省全体で合計3258人の感染者がいるということである(その内、外国籍の感染者及び省外から来た感染者は44人)。エイズ発病者が95人、死亡78人となっている。張氏の話では、四川省のエイズ感染者の82%は、薬物の静脈注射による感染である。いまのところ、感染者は青年・中年が中心で、娯楽施設従業員、薬物の静脈注射、同性愛関係者から、次第に一般の人たちへと拡散しており、拡散のルートは性行為が主要原因と見なされている。
▽ 対策:コンドーム使用の推進
これまで四川省では、すでに32のエイズ観測ステーションが設置されている。今年、エイズ感染の危険性のある8.2万人に対し、注射器の交換(エイズ感染の拡大を抑えるため、政府が薬物常習者に対して注射器の無料交換を行っている)、コンドームの配布などの対策を取っている。その内、コンドームの配布は、23.3万個に達している。四川省成都市では、一般の人たちに対しでもコンドームの使用の徹底に力を入れている。
▽ 調査:数多くの人がエイズについて知識不足
2003年における四川省のコンドーム使用についての調査結果では、近々の性行為でコンドームを使ったのは、同一の性行為相手の場合、娯楽施設従業員は39%、薬物静脈注射利用者は16.1%となっており、不特定多数の性行為相手の場合、娯楽施設従業員は87%、薬物静脈静脈注射利用者は46%に過ぎなかった。
調査によると、調査対象はエイズについての総合的な知識が深まっており、知識が最も多いのは長距離トラック運転手で、35%に達している。しかし、娯楽施設従業員は、エイズの感染について知っているのはわずか25%であった。
四川省は、エイズ感染の危険性のある人への対策を、3年以上続けて取っており、コンドームの特定業種従業員の間での使用も、徐々に浸透し始め、薬物使用者の注射器共用の傾向も下降線をたどりつつある。
「チャイナネット」2004年9月20日