1949年の中華人民共和国成立まで、中国の経済はきわめて立ち遅れた状況にあった。今では、中国はすでに大きな発展の潜在力を持つ経済大国の一つとなり、人びとの生活も全般的に見れば中程度のレベルに達した。特に1979年から始まった22年間にわたる改革開放によって、中国の経済はかつてない急速な成長をとげた。21世紀に入って以来、中国の経済は引き続き着実かつ急速な成長を保ち、2003年国内総生産(GDP)は11兆6898万4000億元となり、伸び率は9.1%に達した。
中国の経済発展は「5カ年計画」の実施によって実現されたのである。1996年から2000年までの第9次5ヵ年計画は極めて大きな成功をおさめ、2001年から始まった第10次5ヵ年計画は新しい世紀の最初の青写真を描いたものである。第10次5ヵ年計画期(2001~2005年)における中国の国民経済と社会発展の主要な目標はつぎのとおりである。
――国民経済がより速い発展速度を保ち、経済構造に対する戦略的調整も著しい成果をあげ、経済成長の質と効率が著しく高められ、2010年には国内総生産を2000年の2倍に増やすための基礎が固められることになる。国有企業における近代的企業制度の確立には大きな進展が見られ、かなり整った社会主義市場経済体制の形成という面で実質的な進展も見られ、より広い範囲とより高い次元で国際経済協力と競争に参与する。
──経済成長率は年平均約7%に達すると予測され、2005年には2000年の価格で計算すれば国内総生産(GDP)は12兆5000億元に達し、一人当たりの国内総生産(GDP)は9400元となり、5年間の都市における新規就業増と農業からの労働力の移転はそれぞれ4000万人に達し、都市部の失業率を5%以下になるようにし、全般的水準での価格の基本的安定化を保ち、国際収支の基本的バランスを保つ。
──産業構造を最適化し、グレードアップさせ、国際競争力を増強させる。2005年には、国内総生産の中の第1次、第2次、第3次産業のウェートはそれぞれ13%、51%と36%、全社会従業者数における就業者のウェートがそれぞれ44%、23%と33%に達するようにし、国民経済および社会の情報化レベルが著しく向上し、インフラ施設が更に改善され、地域間の格差の拡大が効果的にコントロールされ、都市化の水準が高められる。