社会保障

計画経済体制の下では、国家公務員や企業・事業体の労働者・職員の養老、医療などの福祉はいっさいがっさい国によってまかなわれていた。国有部門に入ると、生涯の保障が得られることになっていた。中国が高齢化社会に入るにつれて、定年退職者がますます多くなり、在職者の人数を上回る企業も現れており、企業の重荷と悩みのタネとなっている。1990年代に入って以来、中国は養老保険、失業保険、医療保険制度の普及に力を入れ、国務院は『失業保険条例』、『社会保険料徴収についての暫定条例』、『都市部住民の最低生活保障条例』などの法規を公布し、社会保障制度の実施のために法的保証を提供している。現在、養老、失業、医療、最低生活保障を一体化し、企業・事業体から切り離して社会化した管理を実行する保障制度が一応構築されることになった。

 

――養老保険。基本養老保険は国有企業、集団企業から各種所有制の企業、企業化管理を実行している事業体までもカバーする制度であり、非公有制企業の従業員の権益も保障されるようになった。2003年末までに全国で1億1646万人の従業員と3860万人の定年退職者が基本養老保険に加入した。

 

――医療保険。基本医療保険はすでに都市部のさまざまな企業・事業体、政府機関、社会団体をカバーし、社会保険制度の中でカバー率が最も大きいものの一つとなっている。2003年末現在、全国では基本医療保険の加入者数は1億902万人に達した。

 

――失業保険。中国は人口が多いため、大きな就職のプレッシャーを抱えている。中国政府は就業の矛盾を緩和するため、1993年から労務市場政策を実施し、就職のルートを開拓し、とりわけこの数年、産業構造の調整による国有企業の一時帰休者に対し、再就業プロジェクトを実施しており、2003年だけで、再就業保障資金100余億元を支出し、一時帰休者440万人の再就職を実現した。2003年末現在、失業保険加入者数は1億373万人、失業保険金受給者数は415万人となった。

 

――最低生活保障。全国のすべての都市と県は1人当たりの所得が地元の最低基準を下回る住民に基本的な生活保障を給付する「最低生活保障制度」をつくった。2003年末現在、全国では都市部最低生活保障金の受給者数は2235万人に達し、都市部の貧困者にも例外なく生活保障金が給付され、農村では最低生活保障制度を発足させた地区もある。

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