20世紀80年代に入っていらい、中国は21世紀における国の総合的な科学・技術力を高めるため、一連のトータルな計画を打ち出した。そのうち、科学・技術難関突破計画や863計画と973計画は国の科学・技術計画の主体であり、星火計画、タイマツ計画なども科学・技術力の向上で重要な役割を果たすものである。

国の科学・技術難関突破計画　

　1982年に施行され始めたこの計画は、20世紀における中国の最大の科学・技術計画である。それは農業、電子情報、エネルギー資源、交通、材料、資源探査、環境保全、医療・衛生などの分野に及ぶ国民経済と社会発展の方向やキーポイントなど総合的な問題を解決するためのものである。また、投資額が最も多く、参加者が最も多い（全国の約1000の科学院・研究所の数万人の人たちが計画の作成に参与）、国民経済への影響が最も大きな科学技術計画である。

863計画　

　中国の科学者数百人が1986年3月に全面的かつ厳格な、科学的論証を経た上で打ち出した中国の現代科学の枠組みを構築する「ハイテク研究発展計画」（「863計画」と略称）である。この計画には生物、宇宙、情報、レーザー、自動化、エネルギー、新材料、海洋など8つの科学分野の20の課題が含まれている。計画実施の過程で、政府部門は主にマクロ・コントロールを行い、科学研究活動のためにサービスを提供し、科学者たちは科学研究の方向を定め、専門家委員会が具体的なプロジェクトを決定することになっている。世界の先端技術の発展の動向に追い付き、毎年各自の研究分野で研究レポートを提出し、新たな研究方向を確定することが専門家グループの職責である。科学研究成果の産業化を促すことがこの計画の課題である。

973計画　

　1998年から実施され始め、農業、エネルギー、情報、資源と環境、人口と健康、材料などの分野の重要な研究における理論的な拠り所と科学的な基礎となる問題を解決するためのものであり、経済と社会の発展に重要な影響を及ぼす分野で先端技術と重要な学術テーマをめぐって研究を行う優れた科学者を奨励し、国の目標を示し、21世紀における中国の経済と社会の発展の中の重要な問題を解決するために強力なサポート提供する国の重点基礎研究発展計画である。

タイマツ計画　

　1988年8月にスタートした国の最も重要なハイテク産業計画である。先進技術レベルや国内外の市場及び経済的効果のあるハイテク製品の開発を実施し、全国にハイテク産業開発区を設立し、ハイテク産業の発展に適応した管理体制と運営メカニズムを模索する面での国の指導的計画であり、重点は新型材料、バイオテクノロジー、電子情報、機械・電子一体化技術、新エネルギー技術、省エネ技術などの分野が含まれている。

火花計画　

　1986年に実施され始め、科学・技術の進歩に頼って農村経済を振興し、農村で科学・技術を普及し、農民を導いて豊かにすることがその主旨である。これまで、全国の農村で実施されている科学・技術モデルプロジェクトは農村の85％以上の地区をカバーする10万件以上に達している。