中国の元高級会計士、方時偉さん(77)は20日、自費で南京市から日本を訪問し、細菌戦賠償訴訟団と共に28日に日本で行われる控訴審に参加する。
方さんは1928年2月2日、浙江省衢州に生まれた。1942年8月の細菌戦では、旧日本軍の細菌部隊が、汚染された大豆や麦粒、正体不明の粉末などを航空機で空から投下し、炭疽(たんそ)、コレラ、赤痢、チフスなどの病原菌を衢州の都市部に次々と撒き散らした。まもなく、ペストや疥癬(かいせん)などの伝染病が都市部にまん延し、多数の一般市民が感染して死亡した。当時14歳の方さんは、この細菌戦で母親を亡くした上、自身も炭疽菌に感染し、身体には今も大きな痕跡が残っているという。
方さんは、「第2次大戦中に旧日本軍が実行した細菌戦の証拠は確たるもので、中国人は目も当てられないほどの損害を受けた。今回の日本での訴訟では、自身の体験によって、旧日本軍が衢州で行った残忍非道な犯罪行為を訴え、暴き出すつもりだ」と話している。
「人民網日本語版」2004年10月18日