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ろ山

ろ山は、中国江西省北部の九江市の南にあって、長江とハ陽湖を望む山である。昔から、匡山或いは匡芦とも呼ばれ、有名な避暑地として知られている。

ろ山は、標高1300メートルから1500メートルの峰が99もあって、長さ25キロ、幅10キロほどの広さがある天下の名山である。

麓の長江、ハ陽湖のほとりは、夏はかなり暑いのであるが、ろ山だけは涼しく、平原の涼しい島と呼ばれている。ろ山の七月の平均気温は、最高で22度である。そして、春の訪れが平原より遅く、秋もまた早く去り、気温の低い期間が長く続く。

ろ山の天候は、雨や曇りの日が多く、よく霧が立ち込め、年間降水量は2000ミリを超える。特に夏は、麓が暑く、頂上が冷えているために、大気の対流が激しく、雷や雷雨によく見舞われる。また、春から夏にかけて、山一面に霧が立ち込め、山の上に立ってもろ山の全景を見ることは容易ではない。

雨量が多いので、植物もよく茂り、その種類は1700種類あるといわれる。標高1200メートル近くに、ろ山植物園があるが、中国の各地や外国から3000種類以上の植物を移植している。

湿度の高いろ山は、お茶の栽培にも適していて、このお茶は「雲霧茶」と言うが、中国茶の十大銘柄の一つになっている。

ろ山の南の麓には、古くから知られる温泉がある。ここの温泉は、リュウマチや皮膚病、慢性胃腸病などによく、療養所となっている。

99の峰を持つろ山は、その名所旧跡の数も200ヶ所を超えているので、ここでは、その中の一部しかご紹介できない。

99の峰のうち、五つ並ぶ五老峰は、五人の仙人が東を向いて並んでいるように見えるところから、五老峰と呼ばれている。この五老峰は、見る方角によって、それが歌を吟ずる詩人に見えたり、釣り糸を垂れる翁、禅を組む老僧に見えたりする。

唐の詩人李白は、「ろ山の五老峰を望む」という七言絶句で「ろ山の東南の峰である五老峰は、青空の中から金色に輝く芙蓉の花を削り出したようだ。長江の九つの流れのすばらしい景色が手にとるように見えるので、私は、この地において、雲のなかで、松の間に、ねぐらを作りたいと思う」と歌った。

この詩の中でいう『芙蓉』とは、はすの花のことで、秋になると、山一面のもみじが日に映えて、まさしく金の芙蓉という形容がぴったりする。五老峰の頂上まで石段がついていて、頂上に立つと、ハ陽湖が長江に列なるあたりが遠く霞んで見え、山の麓の段々畑や、山を登る自動車が小さく見える。

もう一つ眺めの良いところは、含ハ口ついうところである。その険しい山間に立って、月夜にハ陽湖に点点と浮かぶ漁火を眺めるのもよく、また、日の出を見るのも良い場所とされている。

その眺めや天候がよく変わるので、宋の詩人の蘇東坡が「ろ山の真面目を知らず」と歌って、それが今のことわざにもなっている。

ろ山の山には、断崖絶壁と峡谷が多く、滝も多く見られる。例えば、有名な三迭泉という滝は、落差が300メートル、水が三段に分かれて、下は断崖絶壁となっている。詩人李白は、「飛流直下三千尺、銀河九天より落ちるか」とろ山の滝の雄大な様を歌っている。

海抜1167メートルの頂上にある「鈷齢鎮」という町は、ろ山の中心となっている山の町で、「雲の中の山城」と呼ばれるこの「鈷齢鎮」の近くに、「花径」という名所がある。花の道と書く花径は、いま、山中公園とも呼ばれ、唐の詩人白居易が桃の花を歌った所として知られる。

いまから千百数十年前のことになるが、ある夏の夜、この地に立った白居易は、桃をはじめ、百花咲き乱れる春景色に驚いて、「大林寺桃花」と題する詩を作った。白居易は、この詩の中で、「下界では四月に咲き尽くした桃が山寺に開いている。春はどこへ行ってしまったか」恨んでいたのに、ここに春があろうとは」とその喜びを歌っている。

この公園には、「花径」という二文字が刻まれた石刻があるが、これは、白居易の筆になるものだといわれている。

花径の西に有名な仙人洞がある。仙道と呼ばれる山の小道を登りつめたところに、仏手岩が突き出ていて、その下に仙人洞がある。ここは、唐の時代の八大仙人の一人に数えられた呂洞賓が修業をして仙人になった場所といわれている。

この仙人洞の中はたいへん広く、ひんやりとした洞窟の中に水しずくがいつもゆっくりとおとを立てて落ちているので、人々はこれを「滴泉」と呼んでいる。仙人洞の北に錦繍谷という深い谷があって、珍しい形の岩や色とりどりの野生の草花や木々が生い茂っているが、漢方薬の開祖といわれる李時珍もこの谷で薬草を摘んだという言い伝えが残っている。

CRIより 2004年10月27日 

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