山西省祁県喬家堡村に残る喬家大院(庭)は、清代末期の典型的な民居。華北地区の建築史で異彩を放つ壮大な建築群だ。高所から俯瞰すると、その構造は大吉祥を象徴する2つの「喜」の字に似ている。敷地面積は8724.8平方メートル、建築面積は3870平方メートル。6つの大院に分かれ、合わせて20の小院がある。部屋数は313間。大院はあたかも砦ようで、3面が通りに面していて、4面は高さおよそ10メートルのレンガ壁に囲まれている。堅固で安全、威厳があって風格に富む。精巧な設計と精細な技法に、清代の民居特有の気風が感じられる。観賞・研究・歴史価値の高い比類なき「芸術の宝庫」。
「皇室を知るには故宮を、民居を知るには喬家を」。こう形容されるように、喬家大院はその独特の建築と収蔵品で多くの観光客を魅了してきた。6つの大院にはそれぞれ(1)喬家の系譜や、商業で立身出世を遂げた歴史、建築の経過を紹介する史料(2)彫刻品や絵画、磁器、紫檀の家具など数多くの貴重品(3)当時の商業慣習である行商や店舗経営、度量衡、配給切符に関する資料(4)新生児誕生1カ月の祝いや長寿の祝福、冠婚葬祭など、当時の社会の儀礼や風俗を示すパネル(5)切り紙や刺しゅう、泥塑、影絵芝居といった郷土色溢れる民間工芸品(6)四季を通じた農事を紹介する写真など――の展示品を通じて当時の状況を理解することができる。
このほか、唐代から五代、宋代、元代、明代、清代と、十数世紀にわたる著名人の風格の異なる貴重な書画も収蔵されている。
「チャイナネット」2004年11月10日