新疆ウイグル自治区国境貿易は軽工業製品が主で、70％以上が食品、靴、紡績品、アパレル、日用品、家庭用電気器具などの工業製品である。輸出製品の品質は低く、核になる主力製品、ブランド製品が無く、商品価格は低廉である。高付加価値の機械電気製品、化工製品、石油製品、家電製品などは少ない。

新疆ウイグル自治区国境貿易で輸出される製品は基本的に浙江、河北、福建、東北、広東などの省・自治区の郷鎮企業、民間企業、個人事業主の生産品である。これらの製品は独立国家連合体の商人によって中央アジアに輸送された後、町村、都市卸売市場に広範に供給され、都市の大型小売店に供給されることはあまりない。90年代に入り、自治区国境貿易額は1991年の9436億米㌦から2001年の9.81億米㌦にまで増大しており、9年連続して自治区対外貿易の半分を占め、自治区対外貿易の重要な支柱、主要な成長点となっている。

恵まれた地理的環境による新疆ウイグル自治区国境貿易の発展

1986年に国家に認可され新疆ウイグル自治区国境貿易が開始されて以降、自治区は周辺国家の経済復興、市場需要の旺盛なチャンスを逃さず、自己独特の優位性を発揮して国境貿易に努めてきた。この十数年間に、国境貿易の自治区経済建設に対する促進作用は明確になり、自治区の対外貿易に対する比重も年々高くなり、2002年度には規模的にも全国陸路国境省区の二位にランクされるようになっている。

国境貿易は対外開放という大きな特色、優位性を有するようになったのは、新疆ウイグル自治区の非常に恵まれた地理的環境と密接に関係している。

一　地縁性の強い税関

新疆ウイグル自治区はユーラシア大陸の中心、中国西北部の国境に位置し、33の国境沿線の県、市が西にカザフスタン、キルギス、タジキスタン、北にロシア、東北に蒙古、西南にパキスタン、アフガニスタン、インドと国境を接し、ウズベキスタン、トルクメニスタンとも近い。国境線は5600kmに達し、中央アジア3カ国だけでも3700kmという長い国境線を持っている。わが国の省・自治区の中で最長の国境線を持ち、隣接国が最も多い省・自治区の一つである。

現在、新疆イグル自治区が対外開放している一級税関は１６カ所、二級税関は１１カ所である。中央アジア５カ国との最短輸送ラインであるホルゴス税関はアルマトイから380kmの距離にあり、その他の税関と比較的大きい都市の距離は200～500km程度である。東端は連雲港から発し西端はオランダのロッテルダムに至る第二のユーラシアランドブリッジは、自治区を東西に横断しており、アラ峠はユーラシアランドブリッジの中国区間における橋頭堡となっている。ユーラシアランドブリッジの全行程の中で、中国と独立国家共同体諸国がユーラシアランドブリッジの4／5をコントロールしている。ユーラシアランドブリッジの開通によって物流が急速に拡大し、新疆ウイグル自治区は西への門戸となり、自治区と中央アジア国家の技術合作、国境貿易は急速に発展している。

二　農業に適した気候　

新疆ウイグル自治区は水土、光熱資源に恵まれている。長い日照時間、大きい昼夜の温度差、長い無霜期間、さらに年間太陽エネルギー輻射総量はチベットに続いて第２位であり、農作物の成長に非常に有利な気候である。2001年末における自治区の耕地面積は416.6万ヘクタールで、一人当たり占有耕地は3.4ムーで、全国平均1.5ムーの2.3倍である。自治区は全国五大牧畜区の一つで、３つの山と２つの盆地の周囲に広大で優良な牧草地があり、天然牧草地の総面積は内蒙古についで全国第２位である。独特な地理条件、気候条件、自然資源が自治区独特のオアシス農業、灌漑農業を決定付けている。平原及び河谷などにあるオアシスの土地は肥沃で、水草が繁茂し、農業、牧畜業、林業、灌漑農業に恵みをもたらしており、播種業の歴史は悠久で小麦、トウモロコシ、綿花、チンゲンサイ、テンサイ、ハミウリ、葡萄、ナシなどの農業副産物生産量も多い。

三　鉱産資源

新疆ウイグル自治区の鉱産資源の種類は幅広く、殆どの種類が出揃い、開発の前途は非常に明るい。現在、既に発見されている鉱産物は138種であるが、うち5種類の埋蔵量は全国第1位、24種類が全国第5位、41種類が全国10位以内で、23種が西北地区のトップである。石油、天然ガス、石炭、金、クロム、銅、ニッケル、レアメタル、塩類鉱産物、建材非金属などの埋蔵量は豊富である。自治区の石油資源量は全国陸上石油資源量の30％を占める208.6億トンで、天然ガスは全国陸上天然ガス資源の34％を占める10.3兆㎥である。自治区のオイルガス開発潜在力は巨大で、長期的にみれば相当の価値が見込まれる。自治区全体の石炭埋蔵量は全国の40％を占める2.19兆トンに達する。

四　観光資源

新疆ウイグル自治区の観光資源は、独特であり極めて豊富である。「中国観光資源全面調査規範」の資源分類によれば、中国68種の観光資源類型の中で自治区は全国トップの56種を擁している。自治区の自然景観は珍奇で、景観の組合せは独特である。有名な自然景観には天池、コナス湖、ボスタン湖、サリム湖、バインブルカ草原などがある。自治区の人文旅行資源は豊富で、「シルクロード」はその名も高く5千余kmにも及ぶ南、北、中の３本のシルクロード主ラインには数多くの古城、古墓、千仏洞、屯田遺跡などが遺留されており、内外観光客の好奇心を満たしている。

「チャイナネット」2004年11月23日