巴烏はイ族、ハニ族、タイ族、ワ族、プーラン族、ミャオ族など少数民族の使用する1リードタイプの吹奏楽器である。雲南省の紅河、文山、思茅、シーサンパンナ、臨滄、徳宏、広西チワン族自治区の融水、貴州省の東南と南部でよく使われている。
巴烏はモウソウチクや青竹でつくられ、下端(あるいは右端)に穴があけられており、上端(あるいは左端)は竹の節が残っているかあるいは栓で封じられている。上の管壁には長方形の吹き口があり、はちロウで長方形の竹片あるいは銅製のリードがついており、リードは三角形を呈し、細い竹片で編んだカバーがある。管壁には八つの穴(前に七つ、後ろに一つ)があり、吹口とは45度の角度である。あるものは下端に2あるいは4の音の穴がある。巴烏は単管と双管の二種類があり、太くて長いものはヨコにして吹くものであり、細くて短いものはタテにして吹くもの。通常の巴烏の長さは30~60センチ。
吹奏する時には、タテの場合は口にリードをくわえ、ヨコの場合はリードを唇の間にはさんで吹き、気流がリードを振動させて中の空気柱を共鳴させて音が出る仕組みとなっている。吐音の方法で吹奏し、滑音、打音、顫動音、抹音、琶音、飛指などの吹奏技法があり、循環換気法で長い音符を演奏することができる。
近年来、巴烏は改造され、改造後の巴烏の管は簡略化され、四つの鍵がついており、音域がひろがり、音量も大きくなっている。
「チャイナネット」2004年12月