蘆笙(ろしょう)  
 

蘆笙は中国の南西地域のミャオ族、トン族などの少数民族のリード付きの竹管楽器であり、西漢(前206-25)の初期に現れた。

蘆笙は大小さまざまなものがあり、管の数も同じではなく、単管、双管ひいては五管、六管、八管、十管のものもあり、しかし、よく使われているのは六管のものである。六管の蘆笙の構造は6本の長さの異なった竹管を2列にならべたもので、木製の笙斗(丸い箱のようなもの)に挿し込み、管の下部にそれぞれ1枚の銅製のリードを付け、管の下端にそれぞれ穴を一つ開け、吹奏する際、指で穴を押しつけるようにして音を出すわけである。一部の蘆笙は管の上端に竹を割り裂いて折り上げた三角形のラッパ状のもの或いはちょっと大きい竹筒がくっついており、共鳴箱の役割を果たしている。それぞれの管の音の高さの排列は地域と民族によって異なる。吹奏する際、単音でメロディーを奏し、同時に二つ以上の加音を出して伴奏とする。

蘆笙の多くは独奏、合奏と踊りの伴奏に使われている。貴州省のミャオ族居住地域には大小さまざまの4種類の蘆笙からなる楽隊があり、フルセットの伝統的な蘆笙曲もある。

何回もの改良を経て、15管、20管、26管、36管の蘆笙も現れた。いくつかの蘆笙は木製の笙斗が金属のものに改造され、鍵盤がついたものもあり、音域がさらに広げられ、12の半音を吹奏することができ、変調も可能となり、かなり複雑な楽曲を演奏することもできる。

排笙は新中国成立以後に蘆笙の原理に基づいて改革し、発展させたものである。排笙には20本の管があり、鍵盤を使って弾奏し、足踏み式のフイゴによって空気を補助的に吹き込み、音量を大きくし、音域を広げ、楽隊の中の低音の管楽器となっている。

蘆笙筒は大筒とも言い、ミャオ族の単音蘆笙筒の原理をベースとして発展してきたものであり、29本の管があり、鍵盤を使って弾奏し、楽隊の中では低音の管楽器である。音色には厚みがあって高らかである。蘆笙の管は半音の順で並べられており、12の音調を演奏することができる。

「チャイナネット」2004年12月