笙は昔から中国にあった管楽器である。
笙の構造は銅製のリードを何本かの竹管の下端に付け、すべての管はひょうたんの実や木や銅で作られた吹き口のある斗(丸い箱のようなもの)に差し込まれている。吹く時には、指で竹管の下端の穴を押すと、リードと管の中の気流を共鳴させ、音が出る仕組みになっている。演奏の時、ときたま単音を使うほか、ほとんどは二音、三音または四音で加音を組み合わせることになっている。
絶え間ない改良を経て、現在は21、24、25、26枚のリードの笙や鍵盤の付いた笙、共鳴筒付きの笙などさまざまな形の笙が現れた。さらには32枚のリードのある笙も開発された。こうした笙は音域がかなり広く、音量もかなり大きく、12の半音を持ち、楽々と転調することができる。
笙は主にリード、笙苗(竹管の部分)、笙斗(丸い箱のようなもの)からなるもの。リードは昔は竹製のものだったが、のちに銅製のものに改められた。笙苗は長さがまちまちの竹管(多くは紫竹で作ったもので)で、上端近くに長い円形の音窓(出音孔)が開けてあり、下端近くには円形の音孔が開けてあり、リードを付けるために下端に木製の足が嵌め込んであるとともに、竹管の下端を笙斗に挿入している。笙斗はひょうたんの実、木または銅で作った丸くててっぺんが平たいもので、てっぺんに笙苗を挿入するための穴があり、笙斗の側面に吹き口が付いている。
笙の吹奏技術もかなり大きな発展をとげ、伴奏、合奏に用いられるほか、独奏楽器へと発展した。笙は太鼓を交えた吹奏楽の演奏において、二音、三音、四音の加音で演奏する場合もかなり多く、強いリズム感は笙の伝統的な演奏の特徴である。演奏のテクニックは単音と加音のほかに、さらに吐音(吐き出すような音)、瀝音(したたるような音)、打音、呼舌音、気顫動音(エア・ビブラート)、舌顫動音(トング・ビブラート)、ノド顫動音(スロート・ビブラート)などがある。
「チャイナネット」2004年12月