中国の民間管楽器の一つで、ラッパとも言われ、小さなチャルメラは海笛とも言われている。中国のチャルメラはペルシャ、アラブのダブル・リード管楽器のソルナから発展してきたもので、民間で最も広く使われている楽器の一つである。合奏、独奏のほか、伝統演劇、歌と踊りなどの伴奏にも使われている。民間では、結婚のめでたい日や祝日のたびに、吹奏楽器・打楽器楽隊とどら太鼓楽隊のほとんどはチャルメラなしではだめと言われているくらいだ。
チャルメラは呼び子、気盤、芯(しん)、管体、ラッパ口からなっている。管体の多くはコノテガシワの木で作ったもの(竹製ものや錫、鉄、銅などの金属で鋳造したものもある)で、管体の上に8つの音孔が開けてあり、小さなチャルメラの場合は、円錐状の管体の上に7つの音孔を開けたものもある。木製の管体の上端に銅製の管を付け、銅管の上端にアシの茎で作った呼び子を付け、木製管体の下端にラッパ状の銅製の拡声装置が付いている。音声が高らかで明るく、息を上手にコントロールすることができる民間の楽手はソフトで美しい簫(尺八のように上部から吹く長い笛)の音を出すこともできる。
改良されたチャルメラには高音、中音、低音の三種類があり、鍵盤のついたものもあり、音域も広くなっている。チャルメラは主に民間の太鼓を交えた吹奏楽(例えば、山東、河北、山西、河南、安徽、吉林、遼寧などの省で)と吹奏・打楽器としての演奏(例えば、浙江、江蘇、広東などの省で)に使われているが、ウイグル、チベット、蒙古、イー、リーなどの少数民族地域でも広く使われている(しかし、構造と名称はいくらか異なる)。
「チャイナネット」2004年12月