古い弾奏弦楽器の一つであり、七弦琴ともいわれている。琴という名称は最も早くは春秋時代(前722-前481)末期の『詩経』に記載されているが、琴が現れたことはもちろん『詩経』の出現の以前であろう。琴の胴体は細くて長い木製の共鳴箱でもあり、その上に厚い漆が塗られており、7本の弦が張ってある。広い一端は頭部で、その下に音を調整する小さな軸があり、腰部以下のところに弦を結ぶものが2つあり、琴の表面の外側に13の円形の標識があり、琴徽と呼ばれている。琴の形態・構造には仲尼式、連珠式、落霞式、芭蕉葉式などたくさんある。基本構造は琴面、琴底、琴首、琴軫(軸)、雁足、琴腹、琴徽、琴弦などからなる。弦が宙に浮くように琴の表面に張られており、琴の表面にホコーダーがない。演奏の際、琴を水平に机の上に置き、左手で弦をなでるようにしたり徽を押したりし、右手は岳山のところで弦を弾く。調子合わせは、調性と曲調によって変化もまちまちで、多くは五声音階で調子を合わせ、よく使われる方法は外側の1本目の弦から内側の7本目の弦までという順序で行う。近年来、琴の共鳴箱を改良し、絹糸の弦をビニールの糸で包んだ鋼線の弦に改め、音量をいくらか大きくした。このほか、螺子のある軸に改め、それによって琴の弦をきつく締めることにした。
よく使われる琴の演奏テクニックは100種以上もあり、伝統的にそれを押し音、倍音、散音という3種類の基本的なパターンに分けている。散音はさらに単散音(擘音、托音、抹音、挑音、勾音、剔音、打音、摘音など)、複散音(抹勾音、畳涓音、抹挑音、勾剔音、撮音、撥音、刺音、打円音など)、滾払散音(瀝音、滾音、払音、滾払音、背鎖音、短鎖音、長鎖音、輪音など)の3種類に分けられている。散音はつまり空弦音で、7本の弦には7つの空弦音がある。散音の音色は落ち着きがあってかつ力がこもり、低くて厚みがある。琴の倍音は91であり、音色は澄んでいて軽快で明るい。按音(押し音)は琴曲の演奏テクニックで最も特色のあるものであり、単按音(主に吟音、猱音の2種類があるが、吟音だけでも長吟、淌吟、定吟、綽吟、注吟、細吟、遊吟、蕩吟、急吟、緩吟など約20種類があり、猱音にも細猱、撞猱、迎猱など十数種類がある)、複按音(畳涓音、抹挑音、勾剔音、撮音、反撮音、撥音、刺音、半輪音、如一音、双弾音、掐起音、抓起音、帯起音、同声音などがある)、遊移按音(下音、上音、淌音、喚音、往来音、分開音、進複音、遅複音、応合音などがある)の3種類に分かれている。
「チャイナネット」2004年12月