唐元カイ
4月26日、「第2回中国鞍山・千山国際観光祭」が開幕し、鞍山は再び観光業で経済を発展させるという考えを明らかにした。
鞍山市は人口339万6000人、総面積9251平方キロ、遼東半島の中部に位置する、遼寧中部の重要な都市である。鞍山市は資源が豊富で、市街地周辺の鉄鉱埋蔵量は100億トンを超え、全国埋蔵量の4分の1を占めている。同市の南部と南東部に世界埋蔵量の4分の1を占めるマグネサイトが埋蔵されている。同市は中国三大滑石産地の一つでもあり、埋蔵量は世界のトップを占めている。
以前、鞍山と言えば、煙突からもうもうと煙が吐き出され、モーターがごうごうとうなる光景が頭に浮かんでくる。この工業の町は中国の鉄鋼工業の揺りかごで、「鋼鉄の都」として世に名を知られ、中国最大の鉄鋼生産拠点の一つであり、工業の基盤がしっかりし、部門がそろっていることで、中国の冶金工業発展において重要な地位を占めている。数十年にわたる建設と発展を通じて、いまでは冶金、機械、紡績を主とし、石油化学、電子、軽工業、建材、食品、医薬などの業種がそろい、配置が合理的な工業システムが形成されている。現在、鞍山が自らに提出した重点的に発展させる目標の中に、内外に聞こえた観光地につくりあげるということを含んでいる。
鞍山市がこの目標を定めるのに、十分な根拠があるのはもちろんである。同市は「鋼鉄の都」とたたえられているほか、「世界第一玉仏」、有名な「千山」風景区とアジアの有名な温泉など豊富な観光資源も持っている。
「世界第一玉仏」は高さ7.95メートル、幅6.88メートル、厚さ4.10メートルの「玉石の王」を丹念に彫ってできたものであり、1997年11月上海の大世界ギネスブックに収録された。玉仏は総面積約15平方キロの東山景勝区にあり、三方が山に囲まれ、一方は川に臨み、多くの古風な建築群からなり、その独特な自然景色と人文景観で仏文化、玉文化と古建築文化を有機的に融けあわせている。
総面積72平方キロの千山は、蓮華の形をした峰が千余りもあり、自然の風光が非常に美しく、国の重点的な名勝区であり、東北地区の仏教と道教の中心地でもあり、昔から美しい峰や石、奥深い谷、古い寺院、珍しい松の木、満開する花で知られている。
鞍山の地熱とミネラルウォーター資源も非常に豊富で、確定、採掘された温泉は20余カ所あり、有名な湯崗子温泉療養所は面積65万平方メートルで、中国の四大リハビリ・センターの一つである。湯崗子温泉の湯は匂いがなく、澄みきって透明であり、温度はセ氏72度に達し、カリウム、マグネシウム、水素、ナトリウムなど30余種の微量元素が含まれている。温泉の湯と熱い鉱泥をマッサージ、針灸、パラフィン療法(温熱したパラフィンを局部にあてる治療法)、光電療法と合わせて使用すれば、リューマチや皮膚病、外傷の後遺症などに顕著な治療効果がある。中国のラスト・エンペラー溥儀が居住したことのある「竜宮温泉」と東北軍閥の張作霖が建造した「竜宮別荘」はいずれも完全に保存されており、リハビリと観光の勝地となっている。
いまの鞍山人は「鋼鉄の都」と称されることにいささか満足しておらず、以前ほど誇りを感じなくなっている。どちらかと言えば、彼らは自分たちの故里が新興の観光都市と呼ばれることを望んでいるようである。鞍山市政府は昨年国際観光祭を開催した時、観光業という新興産業が同市の経済の発展と社会の進歩を全面的に促すという希望を抱いていた。
昨年、鞍山は第1回国際観光祭を催して、確かに大きな成果をあげた。年間に延べ550万人の国内観光客と延べ3万人の外国観光客を受け入れ、前年と比べてそれぞれ34%、60%増えた。観光による収入は33億元をあげ、18%増えた。観光業の促進の下で、第三次産業はわりに速い発展をとげ、増加値は10.5%増の210億元に達した。
関係部門の見積もりによると、今年、鞍山には昨年比20%増の延べ3万6000人の外国観光客が訪れ、観光業による外貨獲得額は18%増の2億2500万ドルに達する。国内の観光客は延べ630万人で、昨年より15%増え、観光業による総合的収入は20%増の40億元に達し、全市国内総生産(GDP)の6%を占める。
張傑輝鞍山市市長はこう語っている。
「中国鞍山・千山国際観光祭」開催の目的は、「千山国家名勝区」の自然の風光、人文歴史、宗教文化、観光資源などの強みを生かし、観光で経済の発展を促すという基本的方針をとり、「新しい世紀・新しい鞍山」をテーマとして、新しい都市のイメージをつくりあげることにある。
工業の町に特有な「煙がもうもうと立ち昇り、モーターがうなる」というこれまでのイメージを変えるため、鞍山は環境づくりを手初めに新しい都市のイメージをつくりはじめた。
調べによると、いま鞍山は都市の総体的企画、区域機能の区分によって、「修繕的」調整を行っている。市内にある騒音の大きな企業を移転させ、郊外にある汚染をもたらす企業をちくじ併合し、生産を転換させ、都市工業用地と第三次産業用地の配置を合理的に行い、重点的な計画・設計プロジェクトは中国内外で公開入札を行い、千山など景勝地を重点的に保護している。
計画に基づいて、鞍山はいま「石炭を使わない」区域の建設を進めており、同時に飲食業の油煙の防除を強化し、自動車のガス排出管理を強化して、大気汚染を抑えている。また、ゴミ場のメタンガス利用工事と第二汚水処理場の第一期工事に建設を急いでいる。
鞍山が実施している計画にはこのほか、市内の広場、目抜き通り、団地の緑化と美化のレベルを高め、15のモデル団地をつくり、60の団地の緑化施設を整備し、28カ所の街頭緑化を建設し、樹木40万本、生け垣150万本、芝生15万平方メートルを植え、商店街の全面的改造に取りかかり、また庭園式の工場、団地、庁舎の建設をたえず推し進める。
ここ数年、鞍山は交通の改造と建設を速め、市内の目抜き通りの拡幅工事を完成するように努めてきた。数年間にわたる建設を経て、鞍山市の交通施設は日増しに改善され、サービス機能も日ましに完備するようになり、長春=大連鉄道、瀋陽=大連高速道路、ハルビン=大連道路は鞍山市を通り、鞍山連航空港に北京など各地に飛ぶ定期便がある。営口、大連などの各地には鞍山の専有埠頭があり、鉄道、道路、海上、空中という立体に交差し、四通八達する交通輸送ネットワークが形成されている。
鞍山はまた観光業の規模を拡大し、全市の旅行社をいまの28社から35社に増やし、星クラスのホテルをいまの10軒から20軒に増やし、観光業従業員数を3万5000人に増やす予定である。特に、良質なサービスの提供を重点として、良好な人文環境をつくり出すよう努める。
張傑輝市長は、現代化建設と市場化運営を通じて、鞍山は工業と観光業を同時に発展するという状況でいっそう大きな吸引力と親和力を持つようになると見ている。
2001年8月6日