ドゥタル(独它爾)はウイグル族の弾奏弦楽器で、ウイグル族の中でかなり普遍的に使われている。伝えられるところによると、14-15世紀に現れた楽器だといわれている。ドゥタルの共鳴箱は木製のひさご状のもので、琴の棹(さお)はかなり長いもので、上に2本の絹糸弦が張ってあり、指板の上に13の絹糸弦を締め付ける品位がある。
ドゥタルは坐った姿勢で演奏し、共鳴箱にあたるところを右のふとももの上に置き、琴体は左側へ傾け、右手のひじを共鳴箱の上側を押し付け、左手で琴を支えるようにして親指で内弦を押さえ、食指で外弦を押さえ、右手の五本の指で弾奏する。音域は二つのオクターブで、音色はソフトで美しく、聞く人の心を引き付け、低音ドゥタルの音色は厚みがある上に低くて重々しい。ドゥタルは独奏、合奏や伴奏ができ、古典音楽の「12ムカム」の中の多くの楽曲はドゥタルを主要な演奏楽器とするもの。
ドゥタルを弾いて歌うことは濃厚な民族色に富み、器楽、声楽とパフォーマンスを結び付けた芸術形態であり、人々に喜ばれている。比較的よく知られた独奏曲には「ムシャウネクムカム間奏曲」、「アイジェム」と「幸せな時代」などがある。
「チャイナネット」2004年12月