晋祠は山西省の中心から南へ25キロ、懸翁山の麓に位置する。北魏に造られた晋王の祠で、その後、周武王の2子である姫虞を記念する祠となった。重要文化財の1つ。
晋祠は、古代の建築物が数十棟点在する庭園式の景勝地。美しい景色に囲まれ、静かで趣があり、壮大な建築群と卓越した技をみせる塑像でその名を知られている。
最も有名なのが聖母殿だ。宋代天聖年間(1023~1032)の創建。伝説では、聖母は姫虞の母である邑姜だといわれる。聖母殿は過去、「女郎祠」と呼ばれていた。広い殿堂には宋代の精美な彩色塑像、43尊の侍女像が安置されている。中央部に座している、鳳凰の冠を戴き、高貴な容貌をし、尊厳さをたたえる邑姜の塑像に、宮廷の統治者としての姿がイメージされる。いずれも迫真力を放ち、躍動的で、千姿万態。宋代の彫塑芸術や服飾の研究にとって貴重な資料となるものだ。聖母殿の前にある「魚沼飛梁」。十字型の橋で、伝説の鵬(おおとり)が今にも飛翔するかのようだ。典雅な雰囲気をたたえている。こうした橋は、国内では
この1基しか残っていない。4体ある「金人台の鉄人」もまた、その姿は雄々しい。唐碑亭。貞観宝翰亭と呼ばれ、亭内には、唐の太祖である利世民による「晋祠之銘併序」が刻された碑が展示されている。総字数1200字余り、行書で書かれ、雄渾な筆運びは含蓄に富む。聖母殿の右側に聳え立つ古樹、「臥竜周柏」。岩層の割れ目から絶えず水が流れ出ている、「難老泉」。侍女像に周柏、それに難老泉が晋祠の見所だ。
「チャイナネット」2004年12月3日