関税引き下げは直接市民の財布に影響するので、2005年1月1日を控え、多くの市民と輸出入関連の企業の関税問題に対する関心が高まっている。
WTO加入時の誓約に基づけば、来月から千種類以上に及ぶ輸入製品の関税が引き下げられ、関税の全体レベルが10.1%に調整される。関税引き下げ調整後、輸入製品の価格にはどのような変化が起こるのか、関税引き下げは市民生活に影響を与えるのであろうか?一部の市民生活に密着した輸入製品を選別して解析を試みてみた。
自動車 輸入価格は逆に値上がり
現在、輸入自動車関税は3000cc以下が34.2%、3000cc以上が37.6%であるが、計画通りであれば、2005年1月1日から一律30%に引き下げられ、自動車及びその主要な部品の輸入割当、許可証管理が廃止される。
3000cc以下の輸入小型セダンの関税は4.2%、3000cc以上の輸入車は7.6%引き下げられることになる。2004年度の輸入車量の総合税率は2003年度に比して5%下降しており、2005年度の総合税率も5%下降するであろう。我が国の自動車輸入は主として欧州と日本からであるが、ユーロと日本円の対ドルレートが持続的に強含みであるため、直接輸入自動車のコスト高につながっている。多くの取次販売店が、ベンツ、BMWのCIF価格は1、2万元値上がりし、トヨタ・カムリ、日産セフィーロのコストは1万元前後上昇したと言っている。1台2万ユーロの欧州車或いは1台220万日本円(2万余米㌦)の日本車は、為替レートによって1台につき1、2万人民元を多く支払わなければならない。
洋酒 さらに多くのブランドが参入
2005年1月1日から輸入洋酒はリンゴ酒、梨酒、蜂蜜酒、その他の発酵飲料を除いて、ブドウ酒、蒸留酒、リキュールなどの洋酒に対する関税が10%~30%となり、最大引き下げ幅は36.7%に達する。
来年はオーストラリア、チリ、ニュージーランドなどからの洋酒以外に、以前には輸入されていなかったアルゼンチン、南アフリカ、ドイツなどから洋酒が輸入され、食膳を賑わすことになる。
この結果、さらに多くのブランドが参入するに伴い洋酒市場の普及努力、販売ルート開発に大きなコストをかけることになる。一本100元の洋酒を例にとると、もし関税が30%に下がれば、輸入業者の受け取り価格は15~20元安くなり、代理販売業者のコストも15~20元低減することになる。しかし、ここで生じた利益は、販売努力によるコスト増の補填に消えてしまうであろう。
輸入化粧品 世界のブランド広告が寧波から
中国のWTO加入議定書によれば、輸入化粧品の関税は4~7年の間に逐次引き下げ調整することになっている。唇用、眼用の化粧品及びフェイス・パウダーは2005年から10%の最終制限税率が適用される。その他の化粧品は2004年~2007年の間に徐々に19.2%、16%、12.8%、9.7%と引き下げられ、2008年には6.5%の最終制限税率が実施される。
銀泰デパート化粧品部の責任者は、「来年、このチャンスを逃さずに植村秀、HRなどその他の化粧品ブランドが続々寧波に上陸します。ですから、化粧品選びはさらに多彩になりますよ」と語ったが、関税の引き下げと共に、知名度の高い化粧品の商戦も開始されることになる。
デジタルカメラ 大幅に値下がり 市民に恩恵
誓約により、デジタルカメラ(DC)及び部品は来年1月1日から関税ゼロになる。
ソニー、キャノン、オリンパス、コダック、富士、三洋などグローバルなデジタルカメラ・メーカーは全て我が国国内に工場を設けて生産しているが、部品は依然として輸入に頼っている。去年デジタルカメラは10%、部品は12%の輸入税率を実施して以降、寧波市場のデジタルカメラの販売価格競争は激しくなり、主流の300万画素の価格は2000元前後まで値下がりしている。
今年、関税が値下がりすると、海外ブランド製品が値下がりする余地ができ、価格的に国内ブランドは太刀打ちできず、去年の販売実績がかなりよかった聯想デジカメも今年は不振である。もし関税がゼロになれば、合資ブランドの価格的優位がさらに明確になり、劣勢にある国産デジカメにとって泣き面に蜂となることは疑いない。
「チャイナネット」2004/12/07