1人平均国内総生産(GDP)が1000ドルを超えたばかりの中国で今、世界で最も急速に高級品市場が育ちつつあり、ブランドメーカーから熱い視線が注がれている。
ある試算によると、個人資産が1000万ドルを超える人は約5万人、うち1億ドル超の億万長者は200人に達した。だが、高級品の消費者はこうした富豪のみに限らない。実際に「主力軍」となっているのが中産階層で、その数は1300万人。中国ブランド戦略協会の楊清山事務局長は「月収が2万から5万元の層が、高級品の消費者になっているのでは」と話す。
モルガンスタンレーのアナリストであるクライアー・ケント氏は「1人平均収入が2500ドルに達すると、高級品の消費は急増していく。中国ではこうした消費者は将来、1億人に達して、日本と遜色がなくなるだろう。また世界で最も利益の得られる高級品市場となるだろう」と予測する。
高級品店に何度も足を運ぶのは、富裕層ばかりではない。月収が5000から1万元の若年層もそうだ。セールの際に購入することが多く、しかもトップブランドの小物、ベルトや靴、バッグに執着している。
普華永道社のアナリスト・岳峥氏は、中国での高級品消費状況を外国と比較し、(1)国内の購入層は大部分が40歳以下の若い層だが、先進国の市場では、40以上から70歳の中年や高齢者が主体となっている(2)高級なものと言えば、中国人にとって、その大部分はファッションや香水、腕時計といった個人が使用するものだが、欧米諸国では住宅や自動車、家族旅行を意味している――の2点の違いを指摘した。
「チャイナネット」2004年12月20日