早期の縁日は廟(お寺)の神様や仏さまを祭る行事のみに限られていたが、経済の発展と人々の相互交流の必要が増えるにつれて、縁日は廟の神や仏を祭る行事と同時に、市(いち)での取引の内容を融合させることになった。往時の縁日は「廟の市(いち)」ともいわれ、行事を催す場所は一般に廟の境内或いは廟の近くであり、中国民間の市(いち)の重要な形態の一つとなった。
現在、北京の縁日は宗教色がますます薄くなり、たまに祭祀の行事を模した娯楽的な行事しか行われなくなった。北京の縁日の中で、毎年に最もにぎやかで、人々に最も喜ばれているのは白雲観(道教の寺院)、東岳廟と地壇公園のものである。春節(旧正月)の期間に、これらのスポットは美しく飾り立てられ、黒山のような人だかりで、押すな押すなにぎわいぶり。縁日の伝統的な内容には「福の札」を買い、「布の上に福の字の模様を描き」、「福の樹のまわりを回り」、「福の道を歩き」、親族の人たちに「福のカードを送る」などの福を祈る行事、獅子舞い、竜舞い、竹馬踊りなど豊富多彩な民俗行事、各地の雑技の得意芸と、何と言っても欠くことのできない北京の軽食および色あざやかなタコ、切り紙、花輪、飾り物、民間工芸品などがある。縁日では、いたるところに押すな押すなの人出、空まで響くドラと太鼓のリズムに合わせて踊るにぎやかなヤンコ踊り、風を受けて回っている色とりどりのかざぐるまがあり、こうしたにぎわいぶりはお寺・殿堂をも際立たせ、古い建築物もことのほか雄大かつ壮麗であるように見え、吉祥の雰囲気に満ちている。
「チャイナネット」2004年12月
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