先ごろ開かれた「国家衛生サービス調査に関する高級シンポジウム」で、中国都市部と農村部の間では、収入の格差が拡大するに伴い健康面でも不均衡が加速し、農民の健康は楽観視できない状況にあるとの報告がなされた。
衛生部統計情報センター主任の饒克勤研究員など専門家の研究によると、都市部家庭の1人平均消費性支出を農村の平均収入と比べると、1985年は1.94倍だったが、2002年には3.3倍まで拡大した。90年代以降、農村部では一部主要健康指標の改善幅が明らかに落ち込むか停滞するようになり、一部地区では低下傾向にある。都市と農村部、また農村部でも地区によって健康面の不均衡が加速。都市部の健康水準はすでに先進国に近づき、平均寿命は73歳を超えているが、経済未発達の一部農村は後進国の水準にある。
歴年の全国婦人幼児衛生監視観測結果によると、90年代に入って新生児死亡率や嬰児死亡率、5歳未満児童の死亡率、妊産婦の死亡率などで都市・農村部の間で格差が拡大し始めている。2001年だけを見れば、農村部の上記4指標はそれぞれ都市部の2.3倍以上。家庭健康相談調査によると、農村部児童の低体重・発育不全率は都市部の4.6倍に7.1倍。貧困地区では、児童の6割以上が身体検査を、妊産婦の5割が産前産後の検査を受けたことがない。また9割以上が自宅で分娩しているが、産婆の6割が正規の訓練を受けたことがなく、また家族が子供を取り上げているのが現状だ。
今回のシンポジウムには内外から約百人の専門家が出席し、新たに公表された「第3次国家衛生サービス調査に関する状況」とその問題点について、突っ込んだ意見交換が行われた。
「チャイナネット」2004/12/29