水利部の汪恕誠部長は2004年の年末で水資源の節約と保護、合理的利用状況について報告を行い、現在の平常な需要に照らし、また地下水の汲み上げを基準以下に抑えた場合、平常年の水不足量は全国で400億立方メートル近くに達すると指摘。669都市のうち約400都市が現在供給不足にあり、110都市が非常に深刻な状態に直面していると強調した。
この中で汪部長は「水資源問題は依然として非常に深刻だ。人口100万以上の32の特大大都市のうち、30都市が長年にわたり水不足に悩まされている。干ばつの被害を受けた農地は2000万ヘクタール余りに達し、穀物の年平均減産量は約2800万トンにおよぶ。水質汚染も深刻だ。2003年の汚水総排出量は680億トンと、1980年に比べ倍以上増加した。全国52の主要な湖沼を対象にした評価を見ると、5カ所が汚染、26カ所が著しく汚染された状態にある。珠江デルタ地帯や長江デルタ地帯など、水資源が相対的な豊かな地域でも水質汚染によって水不足が生じている」と指摘した。
さらに汪部長は「飲料水の安全も重大な脅威にさらされている。現在でも基準に合致した飲料水が飲めない農民は3億人にのぼり、一部都市でも問題が生じている。水源地ではがんや畸形、突然変異などを誘発する重金属や有機汚染物が基準を上回って検出されている。一部の流域や地域では、水質汚染は支流から主流へと拡大し、都市部から農村部へとまん延し、地表から地下へと浸透し、陸地から海洋へと拡大する傾向にある。生態環境の安全も重大な脅威に直面している。50年代初期と比べると、湖沼の面積は15%も減少し、天然の湿地帯も26%減少した」と報告。
その上で汪部長は「様々な問題に直面してはいるが、合理的な開発や高効率の利用、総合的な整備、合理的な配分、全面的な節約、実効性のある保護、科学的な管理を実施していけば、水資源は経済・社会の持続可能な発展を支えることができるはずだ。今後、科学的な水資源計画を策定して節水型社会の建設を全面的に推進するとともに、汚染対策を強化し、水資源を保護し、水資源を合理的に開発・利用し、法に基づく治水を実施し、水資源の統一管理を強化していく」と強調した。
「チャイナネット」2005/01/10