バスでテレビを見ることは北京では新たな流行となっている。「これからは、外出も面白くなり、ニュースをすぐに知ることができ、もともとつまらなかったバスの利用もワクワクするようになっている」と乗客たちは語っている。
2004年5月28日に北京モバイルテレビ放送が正式に始まり、これはヨーロッパ基準の「DVB-T地面無線デジタル転送技術」を採用したもので、転送率は4MB/S。当面、北京で4000台のバスに2台の液晶テレビ端末がとりつけられ、4チャンネルが放映されており、毎日それを見ている人の数は300万人を上回ることとなった。
北京放送・メディアモバイルテレビ会社の社長である江潔紅氏は「当面、北京市のバスに据えつけられたモバイルテレビの数はシドニーやシンガポールを上回り、さらに上海や深センをも上回り、世界一となった。北京市のバスに取り付けられたモバイルテレビは中国におけるデジタルテレビの地面転送テストとも見られている」と語った。
同氏によると、当面、モバイルテレビで放送している番組はすべて無料である。提供してくれる会社からの数多くのコンテンツから基準に則って適切な番組を選び、それをデジタル化した後に、端末に転送している。内容は移動中の人たちに向けたものであるため制限され、面白くて人をひきつけることが求められている。同会社は視聴者の間で番組のアンケート調査を行い、その好みを調べ、それほど人気のない番組は放映中止にすることとなった。
「人びとが最も興味を持っているのはニュースであるので、われわれはニュースの再放映を重視している。例としては、アテネ五輪の放映が非常に成功した」と同氏は語った。
「チャイナネット」 2005/01/12