中国で働く外国人と言えば、ホワイトカラー中のホワイトカラーで、大学教授か、でなければ外国企業の幹部といったイメージが強い。高い収入、そして快適な仕事・居住環境……。だがこの数年、美容サロンやバー、レストランなどのサービス業で働く外国人が増えてきた。彼らが提供するサービスは今では、中国人の生活の一部となっている。
北京のバー街・三里屯。「ここで働く外国人は多いですよ。仕事を終えると、夜来てミュージシャンをしています」とあるバーのオーナー。収入について聞くと、国内のミュージシャンと差はないと言う。全体的に見ると、三里屯で働く外国人ミュージシャンは、身分はそれぞれ違っても収入面では大差ない。
バーのほか、レストランや美容サロンなどでも外国人の姿が目立つ。北京・東四にある有名な美容サロン街。ここでも外国人美容師が多い。彼らはデザインしたヘアスタイルを常に雑誌などで紹介しており、それを見て多くの中国人が訪れているという。主体は若者だ。北京の繁華街の西単や、CBD商務中心区などでも多数の外国人ヘアデザイナーが働いている。料金は国内デザイナーに比べやや割高だが、想像していたほどではない。
ホームヘルパーの分野。北京のあるサービスセンターによると、映画スター、外国企業の駐在トップなどはホームヘルパーに対する要求が高い。なかでも資質の良さやバイリンガルを理由に、フィリピン人が歓迎されているという。専門家は「レストランやバー、美容サロン、娯楽施設、フィットネスクラブなどのサービス業はまだ質的に充実しているとは言えない。そのため、この業界にも外国資本や人材の目が注がれている」と指摘。北京では、外国人就業者数の伸び率でトップを占めるのがサービス分野だ。労働・社会保障部の統計によると、2003年末現在、この分野で働く外国人就業者数は9万人を超えている。
「就業者数が増えたのは、ハードルが低くなったからだ」。専門家はこう指摘する。1996年に公布された『外国人の中国での就業に関する管理規定』は、「凡そ満18歳であり、健康で、犯罪暦がなく、従事する仕事に必要な専門技能や相応する仕事暦(2年以上)を有し、有効なパスポートまたはパスポートに代わるその他の国際旅行証明書を所持する外国人はいずれも、中国で仕事に従事できる」としている。北京では昨年11月30日現在、就業許可書手続きを取った外国人は前年比29%増の3248人に達した。
国際人材交流に携わる専門家は「こうした分野での外国人の増加は、わが国の外国人雇用制度が多元化されてきたことを物語るものだ。彼らによって都市経済の発展は促され、新しい考え方ももたらされた。仕事に対する責任感や、顧客に対するきめ細かな応対は我々も学ぶべきだろう」と話している。
外国人の参入で労働市場は多元的な発展をとげるようになったが、就業プロセスの不適切、報酬標準の不統一、保険・納税制度の不完備といった問題も生じている。国の関係機関はこうした問題に対処するため、関係法律を改正するなどして外国人により質の高いサービス、より多くの優れた外国人に就業の機会を提供していく方針だ。
「チャイナネット」2005年1月24日