世界銀行が公表した最新のレポートによると、WTO加盟は毎年中国経済に400億㌦の収益をもたらし、世界経済にもたらしている収益はさらに750億㌦にも達している。
当面、世界銀行研究局は香港大学で「中国とWTOシンポジウム」を主催し、「中国のWTO加盟・政策の変革・貧困撲滅」をテーマとしたレポートを発表した。同レポートは、「2001年以後、中国大陸部はWTO加盟の契機を生かして、一連の市場改革を行ったため、対外貿易額が倍増し、毎年の収益は400億㌦に達した。中国はWTO加盟前後の状況に基づき、関税を大幅に引き下げ、貿易メカニズム現代化の改革に取り組み、国際市場における中国経済の競争力を大いに向上させた」ことを明らかにしている。
同レポートによると、中国のWTO加盟は自国だけでなく、他の国にもメリットをもたらすことになっている。中国の輸出構造と類似した経済体にはいささかのマイナス影響をもたらしているが、中国大陸部と緊密な貿易関係を保っている中国・香港などの経済体は豊かな収益を収め、中国のWTO加盟が世界経済にもたらす収益は毎年750億㌦に達している。
同レポートによると、中国がWTO加盟によるメリットを保ち続けられるかどうかは、大きな度合いにおいて中国の労働力市場の流動性にかかっている。世界銀行貿易研究グループの責任者であるウィル・マーチン氏は「中国は労働力市場を整備して、農業の生産性を高めなければならない。それと同時に、労働力をより競争性のある業種に移転することを認め、農村労働力の移転の方途を示さなければならない」としている。
「チャイナネット」 2005/02/28