実践の中で社会主義の調和のとれた社会を構築することを促進

困難をかかえた社会層を助け、社会的差別をなくし、公平と正義を実現し、人間と自然との調和を重視する……2004年を経て、「社会主義の調和のとれた社会」という新しい政治的理念は民衆の心の中ではだんだんはっきりしたイメージとしてとらえられるようになった。

「二つの会議」の開催にあたり、一年来の変化と発展をじっくりと顧みた代表と委員たちは、調和のとれた社会を構築することは実践の中で始動するとともに、注目の的ともなったと見ている。

改革開放以来、中国のGDPは20年連続して8%以上の成長率を保ち、経済の発展において並々ならぬ成果を収めた。しかし、体制の転換、構造の調整と社会の急激な変革に伴って、貧富の差が著しく、都市と農村の発展はつり合いがとれておらず、地域間の発展はバランスがとれないなどの問題が社会の全面的な、調和のとれた発展を大きく制約している。社会主義の調和のとれた社会を構築することは、われわれの党がややゆとりのある社会を築き上げ、中国の特色のある社会主義を建設する事業の新しい局面を切り開くという全局から出発して打ち出した重要な戦略的課題である。党の16回大会は「社会のさらなる調和」を「ややゆとりのある社会を全面的に築き上げる」重要な内容としている。2004年9月に開催された党の16期4中総で、「社会主義の調和のとれた社会を構築する」ことが初めてはっきりと打ち出された。これは中国共産党が改革と発展のカギとなる時期に行った重要な戦略的政策決定である。

貴州省南西部のプイ族・ミャオ族自治州興義市納灰村の村民たちにとって、今になっても胸をときめかしていることがある。大晦日の日に、胡錦涛総書記がこの貧しい少数民族の山村に来て新年のあいさつをし、村民たちと一緒に貧困脱却と豊かになる道について話し合ったことがそれである。

河南省新蔡県では、エイズ患者たちの脳裏には今でも温家宝総理と一緒に春節(旧正月)を過ごした情景が浮かんでいる。

政府は公務員登用時の健康検査の汎用基準を改正し、B型肝炎ウイルス携帯者でも公務員になれるようになった。中央はエイズ患者の「四つの免除、一つの関心」という政策を制定し、河南省では幹部を派遣して農村に駐在させ、エイズ患者たちを助けて生活問題の解決に当たらせている。

 ……

代表、委員たちは、「昨年は、党と政府が諸方面の利益を協調させ、社会のみぞをなくし、公正と正義を実現する面で着実な措置を講じた」と見ている。

農民の利益が充分に重視されるようになった。「三農」問題は従来から党と政府の仕事の「重点の中の重点」と見なされてきた。党と政府は「工業が農業をサポートし、都市が農村をサポートする」政策を実施し、農業をサポートし、農民に実益をもたらす政策を公布した。現在、中国では黒竜江、吉林、湖南など25の省・自治区・直轄市ではすでに農業税を全面的に撤廃した。一部の条件のある省・直轄市はさらに、農村における社会的保障体制を確立した。中国の農民の一人当たりの純収入はここ7年以来の最高の増加率を示し、食糧の総生産量が5年連続して低下する勢いに歯止めがかかった。

都市部の貧困住民は温かさを感じている。都市の最低生活保障、医療保障、社会的救済などの制度が相次いで確立された。一時帰休の職員・労働者、困難を抱えた社会層の生活にはより多くの関心が示されるになっている。家賃の安い住居、困難に対する手当、再就職などのプロジェクトが人々の心を暖かくしている。2004年の全国における新規増加就職者数は2003年比130万人増の980万人に達し、510万の一時帰休者が再就職することになった。

法律によって国を治める戦略の実施につれて、社会主義民主の建設において新たな成果が収められ、公民の教育を受け、就職し、みずからの発展をはかる合法的権利がいっそう保障されるようになっている。国務院は『法律によって行政をすすめることを全面的に推進する実施要綱』を公布し、10年以内に法治政府を築き上げることを決定し、同時に103種の行政的審査・認可などにおける料金徴収項目を撤廃し、その金額は18億元に達するものとなった。全国の法院(裁判所)体系においては「民のための司法」という原則を貫徹し、約10億元の訴訟費を軽減し、徴収を猶予し、免除した。貧困学生に向けての奨学貸付に「グリーン通路」が開設され、貧しい家庭の子供たちも大学へ行けるようになった。農民が都市に入って働く上での制限が減り、保障が増えた。今年の2月4日までに、全国では支給が延び延びになっていた農民労働者の給料のほとんどが支給され、整理された未払い金の額は334億元にも達した。高い技能を持つ人材が広い範囲で尊重され、青島港のガントリー・クレーンの労働者である許振超さんは北京の人民大会堂に招かれ、全国の労働者のモデルとなった。海外に留学している人たちは自由に国を出入りすることができ、帰国して起業することも奨励されている。社会に役立つさまざまな創造活動もバックアップされている……。

睦まじく暮らし、秩序整然としていることは依然として今日の調和のとれた社会の重要なめじるしである。コミュニティは都市の細胞であり、コミュニティが安定し、調和がとれていれば、都市も安定し、融和することになる。現在、全国にはあわせて7万7000以上のコミュニティ住民委員会、122万の住民グループが設置されており、約40万人の常勤コミュニティ住民委員会スタッフが住民にサービスを提供している。広範な農村地域では、92%以上の郷・鎮(町)と86%の村で文明の村・鎮を築き上げる活動が繰り広げられている。

安定は社会の調和の前提条件である。司法行政部門は広範な人民大衆に依拠して、違法犯罪分子への取り締まりを強化している。書信・訪問による陳情行為は各クラスの党・政府に高度に重視され、都市部住民の立ち退きの問題と農村の土地占用とかかわりのある紛争は次第に効果のある解決メカニズムに組み入れられることになっている。全国の応急方案の枠組体系もすでにおおむね形成され、中国でしばしば発生するか、突然発生している主要な公共的事件を基本的にカバーするようになっている。

社会の力は積極的かつ秩序整然と社会の建設に投入されている。中国には4万の業種協会があり、業種の自律の面で積極的な役割を果たしている。中国のコミュニティにおけるボランティアは540万人に達し、延べ1億人以上の青年ボランティアが毎年、社会に45億時間相当のボランティア・サービスを提供している。毎年、民間組織のルートを通じて募集されている寄付金は約10億元に達している。インド洋の津波が発生して以来、中国における民間の義捐金は1カ月以内に5億元以上に達した。

 2004年に、各クラスの党と政府の公務員は人間本位の科学的発展観を確立し、各クラス政府は構造調整の推進に力を入れ、経済成長パターンの転換の促進に努めている。各地では、確実な措置を講じてエネルギー資源と資源を節約し、資源の高消費、高汚染、低産出の状況を改め、持続可能な発展の道を目指すことにしている。大量の石炭を産出している山西省は石炭資源の精加工、クリーン・エネルギー資源の開発を目指している。石油工業都市の黒竜江省大慶市は意識的に石油の年間産出量を低めに調整した。

生態系保護はすでに政府と民衆の共通認識となっている。全国では、8つの省が生態省の構築を目指しており、昨年は国家環境保全モデル都市7、国家クラス生態モデル提示区84、全国環境優美郷・鎮40が新規増加した。重点流域地域の環境の総合的整備への取り組みが強化され、重点流域の河水汚染対策の市場化が加速された。多くの省は業者と資金を誘致し、プロジェクト設立において「環境基準」を厳格に実行し、生態系への影響の評価で「一票否決制」を取り入れた。

調和に関心を寄せ、調和に期待をかけ、社会主義の調和のとれた社会を構築することは、人々の心の向かうところとなり、明るい将来のあるものである。

「チャイナネット」2005年3月4日


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