蕭灼基委員、収入・分配関係の合理化のために「処方箋」

貧富の開きがたえず拡大していることはすでに中国を悩ます大きな社会難問となっている。「社会の公正に関心を寄せ、貧富の開きを縮小する」ことは今回の「二つの会議」の代表と委員の関心を寄せる話題である。いかにして少数の人の手に集まっている富を社会に還元させ、それによって数多くの貧困層を援助するかの問題について、北京大学経済学院教授の蕭灼基委員は「処方箋」を書き、分配関係の合理化のためには、当面最も主要なことは低収入を引き上げ、中程度の収入層を拡大し、高収入を保護しなければならないことであると見ている。

温家宝総理は今年の政府活動報告の中で、「分配関係を逐次合理化させ、一部の社会メンバーの収入の開きが大きすぎる問題の解決に努め、社会の公正を促さなければならない」ことを打ち出している。蕭灼基委員はこれにまったく同感で、「われわれは金持ちの高消費を制限してはならないとはいえ、徴税を通じて貧富の開きを縮小することはできる」と語り、さらに次のように述べた。

中国の一人当たりのGDPはすでに1200ドルに達し、世界の経験から見て、この段階内には都市化が速やかに発展をとげ、収入の開きが絶えず拡大し、社会矛盾がかなり複雑化になり、さまざまな関係を適切に処理してこそ、経済がはじめてスムーズに発展することができるのである。

中国の大陸部では、現在、ぜいたく品消費人口はすでに総人口の13%の約1億6000万人に達し、しかもなお急増している。中国では、現在の銀行の個人預金残高は約12兆元に達し、預金総額の80%は20%を占める家庭の所有であり、これらの家庭はすべてぜいたく品消費能力がある人たちである。中国の都市部住民の金融資産の中で、20%の富める人たちが66%を占めているが、20%の低収入層は1.3%しか占めておらず、50倍以上の開きがある。

中国の都市部と農村部住民の収入と消費レベルは大きく向上したとはいえ、収入の開きが拡大し、ジニ係数が0.4の国際警戒ラインを超えて0.45に達している。分配関係を合理化させるには、当面最も主要なのは低収入を引き上げ、中程度の収入層を拡大し、高収入を保護しなければならないことである。

低収入者の収入レベルを向上させることは、主に農民、農村の貧困人口、都市部の最低収入保証人口の収入を引き上げ、労働者・職員の最低賃金基準、引退・定年退職労働者・職員の最低年金基準を引き上げ、農民の耕地を保護し、耕地譲渡費の流失を防ぎ、農村のさまざまな料金徴収項目を厳しくコントロールし、農民と低収入者に対し利子税を免除し、農村の手形割引融資の範囲、金額と年限を拡大し、特殊な困難を抱えた家庭に特殊な手当を与えるなのである。

中程度の収入層の比率を拡大する主な措置は次の5点である。一、第三次産業のウエートを高める。中程度の収入層は主に第三次産業、例えば教育、科学技術、金融、仲介、観光などの業種と公務員に分布しており、第三次産業のウエートを高めることは、中程度の収入層のウエートを高めるために重要な産業的基盤を作り上げることになる。二、知識層と専門要員の報酬を引き上げる。三、専門要員、管理要員、公務員の中の低収入者の収入レベルを向上させ、中程度の収入層を拡大する。四、個人所得税徴収の起点を高め、賃金外の労務収入所得税の税率を引き下げる。五、専門要員が職責をりっぱに果たすことを前提条件として、一定の技術開発に携わり、それによって一定の報酬を得るようにする。

収入の開きの縮小は高収入を制限することではなく、低収入を引き上げ、高収入者の合法的収入を保護しなければならないということである。その内訳は次の通り。一、先に豊かになった地域と先に豊かになった層を拡大し、次第に先に豊かになることから共に豊かになることへと移行する。二、資本の分配参加を認めるとともにそれを奨励し、労働に応じた分配と必要に応じた分配の結合を実行する。三、効率を優先させると同時に公正を配慮する。第一次分配の中で公正を主とすると同時に効率を配慮する。四、合法的な労働による収入と合法的な非労働による収入を保護し、合法でさえあれば上限は設けることはせず、これは非公有経済の発展と強大になることに役立つ。五、合法的な高消費を保護し、しかし、特別消費税を徴収しなければならない。

「チャイナネット」2005年3月8日


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