全人代常務委員会、今年の活動任務を打ち出す

北京で開催中の全国人民代表大会の年次会議は、9日、呉邦国常務委員長が行った常務委員会の活動報告を聴取した。

全人代の常務委員会は全人代の常設機構で、核心的機構でもある。呉邦国委員長の報告では、去年の活動状況と今年の主な任務といった内容からなっているが、今年の活動について、呉邦国委員長は、「新しい一年に、全人代常務委員会は、社会主義の民主的政治を発展させる能力を絶えず高め、人民代表大会制度の健全化をはかり、代表たちの役割を十分発揮させ、常務委員会制度の整備に力を入れることに重点を置く」としている。

去年一年間に、全人代と常務委員会は法律、法の解釈および法律問題に関する決定を合わせて25件採択した。今年の立法活動について、呉邦国委員長は、立法の重点を経済と社会の全般的発展に関わり、法的システムで支柱的な役割を果たす重要な法律に置くとした上で、基本的な、また差し迫って必要な、或いは条件が整った法律の制定の研究、及び現行の法律の適時な修正と改善に力を入れていくとしている。

今年、全人代常務委員会が審議する新法には、経済分野では、注目される「物権法」、「独占取締法」など、政治分野では焦点となっている「違法行為矯正法」などが含まれている。この「違法行為矯正法」は、現行の労働教育矯正制度に対して抜本的な改正を加えたものです。労働教育による矯正は、中国で長年実施されてきたもので、法律にひどく違反しているものの、犯罪行為には至っていないか、または軽犯罪であるがその者の人身の自由を制限する必要のない二つの例を対象としたものである。いまのところ、矯正の実施に対する許可は、公安部門だけが下せるので効果的な監督と制約に欠けている。しかし、この「違法行為矯正法」草案は、矯正を受ける者の弁解権を増やし、矯正期限を短縮し、矯正される者の自由を拡大している。

この活動報告では、監督活動の強化と改善についても重点的な説明が行われている。これについて、呉邦国委員長は、「監督の強化は、全人代の重要活動の一つである。ここ数年の活動経験をまとめた上で、全人代は法の執行に基づく検査や専門別の活動報告の聴取と審議及び活動に対する調査研究などを通じて監督活動を一層強化し、その改善を図り、国家機関による法に基づく職権行使を促し、国民の権利を守っていく」と語った。

関係筋によると、今年、全人代常務委員会の監督活動の重点は、主に、政府の農業支持政策と農村政策の実施状況に対する調査と検査、水資源の保護、節約と合理的利用についての関連法規の執行状況の検査、最低賃金保障制度の実施とその健全化への監督、ここ数年の炭鉱などでの重大事故発生を受けて、「安全作業法」と「鉱山安全法」の執行状況に対する検査、司法の公正問題を巡って、司法部門の整備と案件処理能力の向上などが含まれている。また、民衆が強い関心を持っているホット問題及び一般的な問題なども監督の重点に入れることになっている。

「CRI」より2005/03/10


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